ぎゃあぎゃあ煩い上司を無視してスタスタと屯所を出て行く
11月に入ったというのに照り続ける日中の太陽の光
もう秋なのに…まだこんなに暑いのかと思う
普段なら絶対出歩かない…
涼しい縁側で居眠りしている方が断然いいに決まってる
それなのに今俺は
ある人に会うために…――
その人との約束ためだけに――
太陽で照らされる砂利道を歩いて行った
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江戸の町にやってくると
相も変わらず賑やかで、通りを行き交う人々と天人で溢れていた
キョロキョロしながら歩いていると…―――見つけた
とある甘味処の長椅子に座って団子を頬張っている
豪快に足を組み、いつものように腰に挿してある木刀
団子を満足そうに頬張っている割には何の表情もない瞳
急いできたのか時間が無かったのか、いつも以上にボサボサになっている銀髪
けどその銀髪は
太陽の光に照らされて
美しく一際目立って
輝いていた―――
「あれ?総一くん?」
声を掛けられてハッと我にかえると、団子を片手に
「あっやっぱり総一くんだ」
とヘラっと笑ってみせる
それを見て一瞬頬を緩ませると小走りで近づいた
「よぉ総一くん」
「総悟です…、ごめんなせぇ少し遅れやした」
「いんや、全然大丈夫よ?それよりどうかした?ボーッと突っ立ってたけど」
「何でもありやせんぜ?ただ眩しく銀髪が目立ってるなって……さっ、行きやしょう」
「おぅ?!ちょっ総一くん!そんなに急がなくても銀さん逃げないよー?」
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