Presents
□Stay with me
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ディーノの言葉に紙の上にはしられていたペンの動きを止めた
どうやらイタリアから一時帰ってきたのは、沢田綱吉が誕生日会を開くからそれに出席するためらしい
「可愛い弟分が俺のために誕生日会を開いてくれるっていうんだ、行かないわけにはいかねぇだろ?」
「へぇ…それでわざわざ日本に来たんだ」
沢田綱吉が誕生日会を開いてくれるから
沢田綱吉に呼ばれたから
滅多に帰ってこないくせに
そんなくだらない理由で帰ってきて――
そんな理由でいつでも帰ってこれるんだ
今まで、1ヶ月も帰ってこなかったくせに
「いやーこの年になって誕生日会ってのもあれだけど嬉しいもんだなvV」
「…そんなくだらない理由で帰ってくるくせに――」
「ん?恭弥?」
「よかったじゃない、わざわざ祝ってもらうために帰ってきたんでしょ?あなたってホントにマフィアのボス?気楽なんだね」
「恭弥…?あっお前も来るだろ?俺の誕生日会」
「何で僕が行かないといけないの?僕には関係ないよ。草食動物達に思う存分祝ってもらいなよ、そのためにわざわざイタリアから帰ってきたんだから」
「ちょっ、恭弥待っ――!」
「帰って…!」
「恭弥っ!」
バタンっ!
途中自分が何を言ってるかわからなくなって、無我夢中でディーノの体を押して応接室から追い出した
ドンドンと扉を叩く音がしたけど、一発こっちから殴り返すとそれはすぐに治まって足音も遠退いていった
「……っ、何してるの僕は」
ドス黒い感情でいっぱいになってしまう
最後に見たディーノの顔が頭から離れずに残っている
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