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甘い言葉
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ある日の昼下がり…――。

青い空がどこまでも続く江戸には、今日も春の風が吹いている…――。












甘い言葉



「おい総悟、お前何してるんだ?」

「何って…見てわかりやせんか?」

「いや…わかる…けど」

「じゃあそのままでさァ」





朝の真選組…食堂からは忙(せわ)しい作業の音が響く。
副長である土方十四郎は朝から見た光景に目を見開いていた。





「まっまさかと思うが…それはケーキ?」

「まさか?曖昧な答えですねィ…どこからみてもケーキですぜィ?」

「…これ『塩』って書いてあるんだけど?

「おっといけねェ、間違えるとこだった」





「危ない危ない..」といって塩と書かれた容器を持って棚へ向かう総悟。
それに溜息をつきながらも煙草に火をつける。





「―――万事屋にか?」

「………」

「ケーキっつったらアイツしかいねぇだろ」

「最近甘いもの…食べてないって旦那が言ってたから…」

「…そーかよ、なら『砂糖』と『塩』間違えんじゃねぇよ」

「うっうるさい…っ!」

「行くんならさっさと行け、今日の夜には戻ってこいよ?巡回サボったらツルすからな」

「へーい」







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