Presents
□七色の小瓶
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「はぁ、何だか疲れやした」
「お前今日何もしてねぇよな?ってか朝の巡回サボったよな?」
「あっ、ちゃんと行ってきたんですかぃ?偉いでさぁ土方さん」
「お前もだからな?お前もだったんだからな?!」
「御苦労様ー」
総悟のやつ、結局朝の稽古をサボりやがった..
確かにこいつの剣の腕は認めるが、サボりは副長として見逃すわけにはいかない
仮にもこいつは一番隊の隊長なんだから
「とにかく総悟、午後の巡回はちゃんと行ってこいよ?」
「わかってますぜ?……それより土方さん」
「何だよ…」
「…腹減ったでさぁ」
「は?何か食えばいいだろ、ちょうどもう昼だしな」
「そうじゃなくて……甘いもんとか食いたくねぇですかぃ?例えば…飴とか」
「あ?別に…てか持ってねぇし、俺が持ってるわけねぇだろ」
「……そうですねぃ」
いきなり何を言い出すと思いきや、すぐに口を噤んだ総悟
何だか…いや、多分気のせいだとは思うんだが―――
少し悲しそうな顔をしたのが
一瞬見えたような気がした――。
「おい総――」
「…いってきやすよ?巡回」
「おっおぅ…」
「サボるなよ土方コノヤロー」
「お前が言うな!」
気のせいだったのか、いつものように毒舌を吐きながら屯所を出て行った総悟
それを見送りながらも
俺は自分の仕事のために自室へ向かった
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