Tyki×Lavi
□バスタブは甘い空間
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「ラビ…」
「何さ…っうわ?!」
バサバサッ
本が無造作に落ちる音が響く
そしてさっきまで本を持っていた手は優しく包み込まれ、さらに身体全体が優しく包み込まれた
「ラビ…泣いてる?」
「なっ泣いてなんかないさっ!」
ティキに見えないようにと顔を逸らそうとしたが遅かった
ティキの手が瞬時に伸び、ラビの頬に優しく触れる
「じゃあ…これは何?」
「……っ」
ツーっと頬を撫でられて掬い上げられたティキの指には自分の大粒の涙が見えた
それを悟られた瞬間、ラビの翡翠の瞳からは止めどなく涙が溢れ出た
「っ…ふぇ…っ」
「ラビ…」
しゃくりあげて泣いていると「こっち向いてごらん?」と、ティキがラビの身体を優しく自分の方へと向かせ頬を両手で包み込んで涙をそっと拭ってくれた
「ごめんな?1週間もほったらかしにして…」
「っ…グスッ…」
よしよしと優しく頭を撫でてくれるティキの手の暖かさにゆっくり目を閉じる
あぁ…
久しぶりのティキの手さ――
「俺に会えなくて寂しかった?」
「…うん」
「本当に?会いたかった?」
「…会いたかった、さ…」
「……まさかとは思うけど浮気なんてしてないよな?」
「ひっ…うわぁぁああん!そんなことしてないさぁあぁ!ティキのバカァ!(泣」
うわあぁぁぁ!と再び盛大に泣き出したラビをあわあわとあやすティキ
そしてラビの泣き叫ぶ声が消えたのはそれから10分後…
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