Tyki×Lavi

どんな君でも愛してる
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千年公からのおつかいは、ラビとの待ち合わせ場所とは正反対だった。
仕事そのものは簡単だったが何より距離がある。

ティキは愛しい恋人を想いながら、急いで約束の場所へと向かっていた。





「はぁ…ラビ怒ってんだろなぁ……」





時計を見ると約束の時間はとうに過ぎている。
怒られるのは免れないだろう。

今度甘いスイーツでも奢らなきゃかな…?





ストンッ





目的地について地面に足をつく。
目の前には夜の教会、昼間は綺麗だろうマリア象が夜の闇の中で静かに微笑んでいる。

それを横目で見ながら通り過ぎる。
待ち合わせ場所はこの教会の裏にある小さな公園。





「(さて…俺の可愛い兎ちゃんはどこかな?)」





公園の中へ足を踏み入れると、そこにはいるはずのラビの姿がない。

グルリと周りを見渡すがやはりラビの姿はなかった。






「うっそ…もしかして怒って帰っちゃった?」





だがそれはおかしい――。

決して自惚れているわけではないが今日のこの約束、きっとラビは楽しみにしていたはずだ。

確かに俺が遅れて怒るのはわかるけど…帰るのはおかしい。





「……ったぜ…!」

「早……ろよっ!」





一人して考えていると、奥の方から男の声がした。

一瞬ラビかと思ったが違う声。
しかも一人じゃない…数人の男の声だった。





こんな時間に…?
しかもこんな場所に人がいるなんて…。
俺とラビ以外に誰が―――。





そう思うと自然にその声の方へと足が進んだ。
他人のことなどどうでもいいはずなのに…
今はラビのことだけ考えなきゃならないのに。

何故か自然に、奥へと足が進んでいってしまう。

茂みを掻き分けながらも奥へと進んでいき、少し狭いスペースに出てきた。






そこで見た光景―――。






信じられない光景と

愛しい恋人の悲惨の姿

その上で笑っている男と、その周りにいる男達。






「何やってんの…――?」







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