Tyki×Lavi
□どんな君でも愛してる
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「何やってんの…――?」
多分俺の声が低く響いたのだろう。
肩を一度ビクッとさせて、振り向いた男達。
一人の手にはナイフが握られていた。
そして、その奥で横たわっていたのは…
愛しい愛しい…俺の恋人
「ラビ…?」
あまりの光景に信じられない俺の口からは、本人の確認を求めるような言葉しか出なかった。
柄にもないか細い俺の声を聴きとったのか、うっすらと瞳を開ける。
紛れもなくそれは、俺の愛する人の綺麗な翡翠の瞳だ。
「…ティ……キ……?」
確かに、そこにいたのはラビだった。
あたりを充満した独特の香り…。
剥ぎ取られ、ビリビリに敗れている衣服。
そして……飛び散っている無数の白濁の跡…。
それはティキがくるまで行われていた行為を悟らせた。
それを見た瞬間―――。
俺の中で何かが切れる音がした。
「お前ら…ぶっ殺す…っ!」
*****
生暖かい風が吹く。
その風にのって…血生臭いにおいも鼻につく
。
そして周りは血の海…――。
その血の海の中、俺は小さな体をゆっくりと抱き起こした。
「ラビ…ラビ…っ!?」
「…っ…ティ…キ……?」
再び開かれた翡翠の瞳。
ホッと安堵の息をつくと、視界に入ったのは……ラビの痛々しい体。
白い肌には俺のものじゃない、赤い華が無数に散らばっていた。
そして一番見たくなかったもの……内股に痛々しく残る白濁の跡。
そして上から伝ってきたのだろう…鮮血の跡
。
それを見ると、下唇を噛み切ってしまうのではないかと思う程グッと歯を喰いしばった。
「っ…ぁ…いでっ…っ」
「ラビッ?どこか痛むのか!?」
「見なっ…見ないでっ……見ないでぇぇぇぇ!」
「ラビッ!」
いきなり腕の中で暴れ出すラビを、ギュッと抱き締める。
すると腕には…静かに震える小さな身体の震えが伝わってきた。
その瞳から涙を流す恋人を抱き締めることしかできない自分を、ティキは酷く妬んだ。
「見ないでっ…見ないでぇ…いやぁ!」
「ラビッ…!」
「いやっいやぁぁぁぁ!」
「っ…!」
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