Tyki×Lavi
□どんな君でも愛してる
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あの後ティキはラビを抱えて公園を後にし、自室に連れて帰った。
泣き叫んでいたラビは黙り込んでしまい、俯いたまま…。
「ラビ…風呂入るか?」
「……入る」
「…うん、入っといで?一人で大丈夫?」
「……平気さ…?」
いつものような笑顔はもちろんなく、冷めた口調でバスルームに向かっていったラビ。
その後ろ姿は、目でわかる程にまだ震えていた。
「(―――くそっ!)」
ガタンッ
俺は机の上に置いたあった本を投げ捨てて拳を握り締めた。
*****
「(遅いな―――?)」
ラビがバスルームへ入っていって、もう30分は経っていた。
しかし、まだシャワールームからは「シャアアア」というシャワー音が聞こえてくる。
「(まさか……倒れてる!?)」
嫌な予感が頭によぎり、バスルームへと走った。
勢いよく扉を開けると、まだ体を洗っているラビの姿があった。
「あっ悪い…まだだったのか?」
「………」
返事をしないが、無事だったラビを見てホッとする。
そして出て行こうとしたその時、ふと違和感を感じて視線を上げると、ラビはタオルで同じ個所を何度も何度も擦っていた。
しかも所々は擦りすぎて赤くなっていた。
「ちょっラビッ!何してんの!」
「……っ」
慌てて止めようとしたら、ラビはその手を払いのけて再び擦りつづける。
ティキは慌てて両手を使ってラビの擦る手を掴んだ。
「ラビッ!そんなに擦ったら血が出てるって!」
「やっ!綺麗に…っ、綺麗にするの!」
こちらを向いたラビの瞳からは、涙が止め処なく流れていた。
目も赤くなって――多分シャワールームに入ってからずっと、泣いていたのだろう。
「汚いっ…汚いから綺麗にするんさっ!じゃないと…っ…じゃないと…っ!」
「ラビ、止めて?肌赤くなってるからっ…な?」
「グスッ…っ…綺麗にしないとっ…ティ…キがっ…っ、触ってくれないさっ!」
「…え?」
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