Tyki×Lavi

危ない保健室
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「ん……」

「ラビ…?」




目が覚めると、そこは薬品の匂いでいっぱいだった。
そして目の前には――心配そうにラビの顔を覗き込むティキの姿が…。




「ティ――痛っ!」

「こーら、いきなり起き上がらない」




驚いて体を起こそうとすると、頭に殴られたかのような重い衝撃が襲ってくる。
ティキに肩を押し返されて、再びベッドへと身を沈めた。




「――何でこんな熱あるのに学校来たんだよ、わかってたんだろ?」

「うっ……ごめんなさい。。」




「まったく..」と言いながら冷たい水に浸していただろうタオルで顔を拭いてくれるティキ。




「怒ってる…?」

「一言何か言ってやろうと思ったけど―――そんな顔でそんな事言われたら何も言えないだろ?」

「ごめんなさい…」

「もういいよ…それより大丈夫?まだだるい?」

「さっきよりは大分マシさ…?」




怒っていないとわかって肩の力が抜けた。
さっきよりは大分マシにはなった―――が、あくまで倒れた時がMAXっだったと過程した結論だ。
今の体調でも他人からしたらまだしんどいだろう。




「とにかく、まだ授業中だから昼休みいっぱいここにいな?体調が戻らないようなら帰った方がいいよ」

「えっ…?」




ティキの言葉に少しショックを受ける。
確かに今のこの体調で授業を受けるなんて到底無理な話だ。
結局また保健室にくる破目になる。

それなら帰った方がいいと保健医として適切な判断をしてくれたんだと思うが――それが逆に辛い。




「……ラビ?」

「…やっ、ティキといたいさ…」

「…しんどいでしょ?」

「家に帰っても一人さ?それなら…ティキのいる保健室にいる方がいい……」

「………」




ギュッと白衣の裾を握るラビ。
何て言ってくれるか待ってると、ティキは急に立ち上がって棚から何かを持ってきた。

ボーッと見ていると、ティキは探していた物をみつけてこちらへ歩いてくる。

シャーッと閉められるカーテン…。
そしてティキの手には―――細くて長い体温計。




「そうだな、家に一人の方が心配だし…」

「じゃあここにいてもいいさ…っ//?」

「うん、いいよ♪だけどその前に―――」

「へっ?」










熱を測ろうね?




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