Treasures
□小さなきっかけ
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「おい総悟!」
見つけたや否や、腕をひっぱりグラウンドにつれていく。
「は…?土方さん?」
わけのわからない沖田を無視し、手をひっぱって走った。
我ながら、よくやった。
ただその時は、何も思ってなかった。
『一着、赤組です』
土方さんがあらわれたと思ったら腕をひかれ、グラウンドに連れていかれた。
わけもわからず、一着ゴール。
土方は係の人に、紙を渡していた。
「総悟、悪かったな」
退場後、土方が謝ってきた。
そんなことより、気になるのは…
「借り物、何だったんですかィ?」
びくっと肩が動いた。
「なっ、何でもねぇ!」
顔を真っ赤にしてそらす。そんな変なものだったんだろうか?
「あ――――っ、もう!」
突然奇声をあげ、俺を見てこう言った。
「好きな人、だっ!」
炎天下、顔が赤いのはきっと太陽のせいだ。
END
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