Treasures

小さなきっかけ
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「おい総悟!」

見つけたや否や、腕をひっぱりグラウンドにつれていく。

「は…?土方さん?」

わけのわからない沖田を無視し、手をひっぱって走った。
我ながら、よくやった。
ただその時は、何も思ってなかった。


『一着、赤組です』

土方さんがあらわれたと思ったら腕をひかれ、グラウンドに連れていかれた。
わけもわからず、一着ゴール。
土方は係の人に、紙を渡していた。

「総悟、悪かったな」

退場後、土方が謝ってきた。
そんなことより、気になるのは…

「借り物、何だったんですかィ?」

びくっと肩が動いた。

「なっ、何でもねぇ!」

顔を真っ赤にしてそらす。そんな変なものだったんだろうか?

「あ――――っ、もう!」

突然奇声をあげ、俺を見てこう言った。

「好きな人、だっ!」

炎天下、顔が赤いのはきっと太陽のせいだ。








END





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