最低な、男

□Memorial Love
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俺たちは今、1つになる。





「―――ッ…!!」

獄寺の中はものすごく熱くて、ぎゅうぎゅうと俺を締め付ける。

「……ぅっ、あ!あ゛!……!」

「――ッ、キツっ……」

押し出そうとするキツい内壁に逆らって、グッと腰を進めると獄寺から悲鳴のような声が上がった。

その痛々しい声に胸が苦しくなる。でもあとちょっとだからって強く抱き締めた。

締め付けが、強く、なる。



「入っ、た……」


胸に沸き上がる感情。



信じられない。

俺、獄寺の中に入ってるんだ…。



言葉にできない達成感に高揚していた俺は、シーツを掴んで震えながら痛みに耐える獄寺を見た瞬間、頭ん中が真っ白になった。


どうしよう。繋がりたい一心でここまできたけれど獄寺に相当無理をさせてしまった。

俺だけがこんなに幸せで、獄寺は、ただ苦しくて辛いだけなんじゃないか。

指先が震えそうになりながら、そっと涙に濡れる頬に触れる。

「痛くして――ごめんな?」

お前の誕生日なのに、ってそう言うと、獄寺はギュッとつぶっていた目をゆっくり開いた。

とろける翠の瞳に水の膜がゆらゆら揺れて輝いている。

その美しさに俺が見惚れていると、獄寺はちいさく口を開いた。


「……い、から…」


濡れそぼる翠の玉石から、ぽろっと一筋の涙が零れた。


「この痛みが、嬉し、から…」



――山本動いて…?




獄寺の気遣いを簡単に真に受けてしまった俺は、最低だと思う。

でも、もう堪らなかった。

獄寺の言葉にも、ハンパないくらい色っぽい表情にも、めちゃくちゃ煽られた。
絶対お前のこと離さない。つーか離してやんねーって思ったし、獄寺への愛しさが溢れだして、止まらなかった。

「―――ッ!」

「――ヒ…っ!あッ、ア…!」

腰を動かすと獄寺の華奢な身体はびくびくと跳ね上がる。

それを押さえ込むように、キツく、キツく抱き締めた。



愛してる…



愛してる……




これが恋じゃなかったら、もう俺は、二度と恋なんかできない。






「獄寺、俺、もう……!」

「やぁっ!山本っ、山本ぉっ」

もうどうしようもなく愛しくて愛しくて。掻き抱くように獄寺を強く抱き締めた。

「獄寺…」


俺を、受け入れてくれて、ありがとう……

そして…



「好きだ……」



そして、生まれてきてくれて、ありがとう…

獄寺の腕が俺の首にぎゅっと回された。
熱い吐息が耳にかかり、それだけで体温が上昇する。


「………俺も…」

お前と同じくらい、俺だって……


小さく囁かれた言葉は、もう…もう…堪らないほど俺の心を鷲掴んで。

幸せすぎて死んでしまいそうだ、なんて思いながら。

獄寺を強く胸に抱いて、俺たちは互いの熱を分かち合った――









朝、窓から差し込む日差しに目を開けると、一番最初に飛び込んできたのは獄寺の寝顔。

無防備で、まだあどけないその表情に、俺はじんわりと込み上げてくる幸せを噛み締める。

顔にかかる髪を梳くと、やわらかな銀糸は朝の日差しを浴びてキラキラと輝いた。


「もう、一生、離さないから……」


ねぇ、獄寺。


お前の誕生日に、俺のこれからを全部獄寺にあげる。

俺の人生を、獄寺に捧げるから。


「だからずっと、傍にいさせてくれな?」


まるで神聖なる誓いのように。

滑らかな額にキスをして、
変わらぬ愛を、そっと祈った……





happy birthday

Hayato Gokudera











***
………と、こんな初Hを獄誕にUPする予定だったんだけどねッ☆(←台無し

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