リクエストのおはなし

□大人になっても一緒にいよう
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「新学期になったらさ。」
「ん?」
十代目の家から帰る途中山本がポツリと呟く。
「まず・・・新入生歓迎だろ?遠足に、球技大会。」
「間に中間あるぜ?」
「テストの話はなしなし!」
山本は手をパタパタと振る。
「いっぱいイベントあるのな。」
だからなんだと思い俺は黙って山本の話の続きを聞く。
「GWはどこに行く?」
「何だよ・・・お前は。」
「予約!獄寺の。気付くとお前イタリアに行ってたりするんだもん。」
「あのなぁ・・・」
俺がイタリアに帰るのはボムの仕入だったり、ファミリーの呼び出しだったりするんだからと説明をするが山本は気にせず、でも予約・・・と笑う。
山本と別れる十字路にたどり着くとそれまで微妙な距離が開いていた山本との空間を俺は縮めて山本の手を握る。
ピクンと山本が反応をし握られた手を指を絡め握り返す。
「寄ってけよ・・・」
「うん。」

俺達は世間で言う恋人同士で・・・男同士で・・・。
山本に告白された時はガラにもなく嬉しくて眠れなかった。
「お邪魔します〜」
「おう。」
山本は部屋に入るなり俺を抱きしめ顔を埋める。
「どうしたんだよ?今日は随分甘えん坊だな。」
「何となく・・・」
甘える理由は何となく解る。今日十代目の家でリボーンさんからファミリーが少し揉めているからもしかしたら俺も行くハメになるかもと言われたからだ。
いつか十代目がイタリアに行くのだから地盤固めはしっかりしておくのも右腕である俺の役目。
「大丈夫だよ・・・予約はきちんと入れておくよ。」
「うん。」
俺は山本の手にキスをする。
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