最低な、男

□ロリィタ・マスク
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俺は山本武、24才もちろん独身。
まだまだ新人気分が抜けない、社会人2年目のサラリーマン。

そして俺の彼女は…



「昨日ハルとプリクラとったんだ〜!見る見る?」



獄寺隼人。中学2年、花も恥じらう14才……。



最近の切実なる俺の悩み。

それは……




もしかして俺、ロリコンなのか…?






ロリィタ・マスク






「俺は絶対こっちのがいいって言ってんのにさぁ、」

待ち合わせのファーストフード店、隼人はストローをくわえながら俺を見る。

「だけどハルが口出してきてー」

椅子に座りながらぶらぶらさせる、スカートから伸びた綺麗な足がまぶしい。

隼人が足を揺らす度に、スカートから覗く白い太ももがチラチラと俺を誘う。

ハルちゃんっていうのは隼人の親友。

有名女学院に通う隼人は大人びて見えるけど、正真正銘の中学生。

俺と10も年の離れた、思春期真っ盛り、びちぴちの14才だ。



――コラ!そこ、犯罪だって言わない!


俺は決して若さに釣られて付き合ったんじゃないんだからな!


「ハルの言うとおり確かに黒も良いなとは思ったんだけどぉ…」

そう言って楽しそうに話を続ける彼女をチラッと盗み見る。

そりゃあセーラー服を着た隼人はかわいい。

確かにかわいいけど、


制服姿の隼人を見るたびに沸き起こる、胸の高なりと若干のいたたまれなさ。

まるで、何も知らないうら若き女の子をたぶらかしているような……



――いや、いや、俺は決してロリコンなんかではない……はずだ!



そんな俺の葛藤を知ってか知らずか。
さっきまできゃぴきゃぴと話していた隼人は、ぐっと顔を近付けて俺を見た。

目の前に迫る、やけに整った小さな顔に俺はぐっと唾を飲む。

「ちょっとぉー、聞いてんのかよ?」

ゆらゆら揺れる緑色の瞳に近距離で見つめられて、俺は大人気なく動揺する。

それどころか膝の上に置いていた俺の手を、テーブルの下でぎゅっと握られた。

「武ってば全然話に入ってこないし!ほっとかれてるのって切ないんですけどっ」

「―――〜ッッ!」

いつにもまして素直で可愛い台詞にグラッときた。

いくら中学生っていったって、理性的になんか、無理だろ?!


むぅっと膨らましたほっぺたは食べちゃいたいくらい可愛いし、

不満気に尖らせた唇はテラテラと濡れて俺を誘ってる。


こんなんロリコンじゃなくてもクラっときちまうだろ!?

獣の目の前で小動物が「食べて下さいvv」って言ってるよーなもんだぞ?!



「……お前さぁ、」

「ん?」

ちいさく首を傾げる隼人に内心きゅんとしながらも、俺は表情に出さないように顔を引き締める。

「いくら俺の前だからって無防備すぎんだろ」

子供だからって自覚を持たなきゃいけません!


俺の言葉に一瞬キョトンとした隼人は、次の瞬間にっこりと笑った。

「武ってば何言ってんのー!」

キャッキャッと浮かべた笑みは子供のように無邪気で、


でもこれは目の錯覚だろうか……


俺の知っている子供は、決してそんな…エロい顔、しない。




「だって、わざとだもん」





ぺろっと赤い舌を出して、隼人はスカートをはためかせた。






ロリィタ・マスク
(チラリと見えた、黒のレース!)







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