短いおはなし
□恥ずかしい
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恥ずかしい
キスをした後の恥ずかしさには、いつも慣れない。
山本はキスの後いつも俺をぎゅっと抱きしめて、「獄寺、獄寺」と余韻に浸るように俺の名前を囁く。
恥ずかしいから、やめてほしい。
俺は山本と２人でこういう行為をするのも恥ずかしいし、腰がくだけるような甘いキスでドロドロに溶かされてしまったことも恥ずかしい。
今の自分はきっとはしたない顔をしているだろうから、ぎゅっと抱きしめる山本の腕の中で小さくなっていることしかできない。
「どうしたの獄寺？今日はずいぶん甘えただね」
俺の髪をいとおしそうに撫でながら
すっげー可愛い…
山本がそうやって心底幸せそうな声を出すからいけない。
「――うるせぇよ…」
お前は黙って俺を抱きしめてればいいんだーー
そんなことを考えている自分が一番恥ずかしくって、俺は山本の首筋に顔を埋めた。