短いおはなし

□君はもう、絶体絶命!
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「ごくでら…っ!!」


引き留めようとする山本を突き飛ばして獄寺は教室から走り出した。
まるで脅迫観念に駆られるかのように、獄寺はとにかく走った。走っていなければ考えてしまう。走っていなければ、思い出してしまう…掴まれた腕の強さを、押し付けられた壁の冷たさを。そして……









――――好きだ。









「っっ〜〜!!」

なんなんだ?!
なんなんだよ!!

顔に熱が帯びる。唇が、焼けるように熱い。
忘れていた熱を呼び起こしてしまったようで、思考を振り払うかのごとく獄寺はさらに走る速度を上げた。







キミはもう、
絶対絶命!

(逃げた兎を捕り逃がすほど、飢えた獣は甘くない)








 

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