短いおはなし
□メイド生活。
1ページ/2ページ
小僧のはからいで、我が家にメイドさんがやってきた。
名前は獄寺隼人。
プレゼントの箱の下に、プロフィールが書いた紙が入ってたのな。
箱から出した時は、縄を解いた途端暴れだして「シャマルの裏切り者ー!」だの「じゅうだいめー!」だの叫んじゃって大変だったけど、今はおとなしくベッドに横になっている。
「……オイ、」
銀色の髪と翡翠の瞳がチャームポイントの、おしとやかで可愛くて、俺の命令に従順なメイドさんだ。
「オイ!聞いてんのかよ!」
「だーかーら、俺の名前はオイじゃないってば。山本武!わかる?やまもとたけし!俺の希望としては『たけしぃ』って可愛く呼んで欲しいところだけど…」
「うるせー!テメェこの手を離せェェ!!」
そう言って再びメイドさんは暴れだした。さっきは腕を縛ってベッドに押し倒したとたん静かになったのに、この様子を見るとどうやら逆効果だったみたいだ。
「んなことされたら誰だって驚いて黙るわ!」
「ほら、こんな夜中に騒いだら近所迷惑だろ?」
「だからっていきなり縛るヤツがあるか!」
――…しかも何で上に乗っかってくるんだよ?!!
押し倒した身体を俺がさらに密着させると、隼人はジタバタと抵抗しだした。
「離せぇぇ!」
「えー、だって離したら隼人逃げそうだし」
「当たり前だ!誰が好き好んでこんなとこに…!」
「じゃあヤダよ。だって隼人、ちょう俺のタイプだもん」
せっかくもらったプレゼントなのに、手離すわけないじゃん。
そう言って隼人の首筋に顔を埋めると、隼人は「ヒィッ!」と身体を強張らせた。
「い、いやだああ!」
「すっげぇ可愛いー…」
これが俺のモンだなんて信じられない。
可愛くて美人で、しかもちょー巨乳。
本当に、今日は最高の誕生日だ。
恍悦に浸りながらそっと目の前の身体に触れると、小さな身体がビクッと跳ね上がった。
「や、やぁっ…」
怯えたみたいにぎゅっと目ぇつぶっちゃって、ブルブル震えてんのな。
「……やだ……やめ……」
「逃がさない」
恰好の獲物を前にして、みすみす逃すヤツがどこにいるっていうんだ。
メイド服の上からでもわかる華奢な腰をなぞりながら、ゆっくり、ゆっくりと手を上に迫り上げていく。
いよいよ豊満で、やわらかそうな胸に手を伸ばそうとした瞬間……
バンッと大きな音がして部屋のドアが開き、
「山本っ!!」
慌てた様子でツナが飛び込んできた――。