短いおはなし
□ ゾクゾク、する
1ページ/1ページ
「……ッア……」
ワイシャツ越しにキュッと胸の突起を摘まれて、俺の唇から甘い吐息が零れた。
こんな状態なのに、
俺の身体は泣きたいほど貪欲だ。
「……ッ!」
俺が動けないのを良いことに、山本は次々と肌に跡を付けていく。
抵抗しようと身体を震わす度にギシギシと腕は悲鳴を上げた。
「や、山本ぉ……これ、外して…」
これ、これ、とベットに繋がれた手錠を鳴らしても、山本は見向きもしない。
それどころか敏感な部位に一際強く吸い付いた。
「ヒ…ッ!も……やめ…っ」
激しい刺激に目を見開く。
過ぎた愛撫に顔を歪ませた俺に、山本が興奮したように唇を舐めた。
「たまんねぇ…」
山本の唇から覗く赤い舌が、チラチラと俺を煽る。
「もっと俺のために泣いてくれよ、獄寺」
嬉しそうに甘く囁いて、耳たぶを噛んだ。
まるで、内側から洗脳していくように。
「――お前に泣かれるとゾクゾクしちまう」
俺を見つめる山本の視線に、身体が震えた。
――そんな…
そんな顔を見せるのは、ズルい。
そんな壮絶に色気のある、男の顔で言われたら……
俺の方が、
『 ゾクゾクする』