短いおはなし

□ ゾクゾク、する
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「……ッア……」

ワイシャツ越しにキュッと胸の突起を摘まれて、俺の唇から甘い吐息が零れた。


こんな状態なのに、

俺の身体は泣きたいほど貪欲だ。


「……ッ!」

俺が動けないのを良いことに、山本は次々と肌に跡を付けていく。
抵抗しようと身体を震わす度にギシギシと腕は悲鳴を上げた。

「や、山本ぉ……これ、外して…」

これ、これ、とベットに繋がれた手錠を鳴らしても、山本は見向きもしない。
それどころか敏感な部位に一際強く吸い付いた。

「ヒ…ッ!も……やめ…っ」

激しい刺激に目を見開く。
過ぎた愛撫に顔を歪ませた俺に、山本が興奮したように唇を舐めた。

「たまんねぇ…」

山本の唇から覗く赤い舌が、チラチラと俺を煽る。

「もっと俺のために泣いてくれよ、獄寺」

嬉しそうに甘く囁いて、耳たぶを噛んだ。

まるで、内側から洗脳していくように。

「――お前に泣かれるとゾクゾクしちまう」


俺を見つめる山本の視線に、身体が震えた。



――そんな…


そんな顔を見せるのは、ズルい。

そんな壮絶に色気のある、男の顔で言われたら……



俺の方が、





『 ゾクゾクする』








 

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