短いおはなし
□hungry dreamer
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野球部恒例、夏休みを利用した、6泊7日の大合宿。
山本が野球の合宿に行ってしまってから早5日。
1人残された獄寺は早くも眠れない夜を過ごしていた。
hungry dreamer
――身体が、熱い。
その身を苛む突然の発熱のせいでなかなか寝付くことが出来ず、獄寺はベットの中で身体をもぞ付かせた。
それが夏の熱気のせいだけではないことを、獄寺はわかっている。
この身体の芯から沸き上がるような熱は、そう、まるで……
思い当たった事実は認めたくないもので、獄寺は首を振った。
火照った身体を持て余し、寝返りを打ってみても一向に熱は冷めない。
むしろ動けば動くほど、寝間着と素肌が擦れてジクジクとした摩擦を帯びる結果となり余計に獄寺を追い詰める。
微弱な刺激に白いマシュマロのような頬をほんのり赤く染めると、ほぅっと吐息混じりの溜息が零れた。
毎日のように山本に愛された身体は、貪欲に、馴れ親しんだ熱を求めだす。
それが山本の合宿のせいでお預けになると、自分でも泣きたくなるくらい恥ずかしい部分が疼き出して、堪らないのだ。
今日までは無理矢理眠りについて気付かないフリをしていたが、それが5日を越えた今、もう耐えられなかった。
だから、これは仕方なく、だ。
自分に言い聞かせるように呟いて、下着の中からそっと昂ぶる熱を取り出した時。
既に獄寺の我慢は限界のところまで来ていた。