短いおはなし

□hungry dreamer
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触りやすいよう足を開いて、恐る恐る自分の右手で熱い塊を握ってみる。
すると思った以上の昂ぶりに獄寺は困ったように整った顔を歪めた。
ゆっくりと、丸めた手を上下に擦るとそれだけで欲望は大きくなり、下の口から白い液体が零れだす。
早すぎる自分の濡れ方に驚きながらも獄寺は手の動きを止めることが出来ない。
山本と離れて以来、久々の快感に獄寺はすっかり夢中になっていた。

「は…あぁ、ん…」

溢れ出す精液を指に絡めながら熱い欲望に必死で塗りたくる。
滑りが良くなったことで手の動きをよりスムーズにさせただけでなく、濡れたソコは密閉された室内にいやらしい音を響かせる。
無我夢中で快楽を求めるはしたない自分に恥じらいながらも、獄寺は甘美な誘惑の虜になった。


まさか、自分で触るだけでこんなに気持ち良いものだとは知らなかった。


獄寺は自分で自分を慰める事なんて、今までで数回しかしたことがない。
日本に来るまではそんな卑猥なこと、存在自体知らなかったし、
山本と付き合うようになってからはそんなことをしなくても山本から与えられる熱に浮かされていれば良かった。

だからここまでは出来たものの、この後どうすれば良いのかわからない。
山本に開拓された身体は今の拙い動きでは飽き足らず、さらなる刺激を求めて淫らに獄寺を苦しめる。

――こんなんじゃ、足らない…。

困った獄寺はいつも自分を翻弄する山本の手の動きを思い出し、おずおずとカリの部分を引っ掻いた。





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