長いおはなし
□ドリーミングガールとマフィアな僕《3》
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ディーノ先生に言われて生徒指導室に向かっている俺だけど、なにしろ初めての学校。途中で迷ってしまった。
そりゃあ受験の時に来たこともあったけど、でもあの時は緊張してたし、それに周りの流れについてったから全く覚えてない。
ディーノ先生がついてきてくれればよかったんだけど、用があるからと断られてしまった。
「だから2階のメディア室がある右の棟の、ええっと左側をまっすぐいった、奥から2番目にだな〜」
「? メディア室ってなんスか?」
「メディア室っていうのはな、パソコンがいっぱい置いてある冷房がきいた部屋のことだ」
「じゃあそのメディア室がある棟の、奥から右側に…」
「違う違う!左側の奥から2番目」
なんとかディーノ先生から道を教えてもらったあと、俺は一番気になっていることを聞いた。
「あの、生徒指導の先生ってどんな人なんですか?」
俺が訪ねると、ディーノ先生は言いにくそうに頬をかいた。
「……あー…アイツはなあ…まあ、会ってみればわかる」
煮え切らない先生の言葉に俺はなんだか不安になる。
「えっ、先生は一緒に来てくれないんですよね?」
「俺はこの後、用があってな。悪いけど1人で行ってくれ」
そう言われてしまっては仕方ない。それにしても、ディーノ先生が口をつぐむくらいの先生って一体どんな人なんだろう。俺のイメージでは恐面でガッシリとした体格の、いかにも怖そうな感じなんだけど。
そんなことを考えながらウロウロ歩き回ってはいるが、なかなか目的地にたどり着かない。2階であることは確かなんだけど、何よりメディア室が見つからないし。
さてどうしたもんかと立ち止まり悩んでいると、目の前を男子生徒が通り過ぎた。