長いおはなし
□ドリーミングガールとマフィアな僕《4》
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再び会った彼女はやっぱり綺麗だった。銀色の髪もそうなんだけど、なんていうか彼女がそこにいるだけでキラキラ輝いて見える。
彼女から目が離せなくて、もしかしたら俺は病気にかかってしまったのかもしれない。
こちらを見て微笑んだ彼女にドキッとする。あの甘い、とろけたバターみたいな満面の笑みを浮かべながらパタパタと近づいてきた。
「十代目!」
俺の隣にいる、沢田さんのところに。
「急にいなくなったからどこに行ったのかと思いましたよー」
「ゴメンね、急にリボーンに呼ばれたから」
「まぁリボーンさんの呼び出しなら仕方ないですけど……ん?」
彼女がようやく気付いたように俺を見た。
「おっ、山本じゃねーか!」
俺がいることに目を見開いた彼女は、次の瞬間嬉しそうにパシパシと俺の腕を叩く。
「また呼びに行かねぇとって思ってたけど、ここにいるってことはちゃんと決心したんだな!」
そうかそうかと満足げに頷く彼女に沢田さんは首をかしげた。
「えっ、2人は知り合いなの?そういえば獄寺さん、今日の朝遅れてきてたみたいだけど」
「ああそれはですね、今朝山本に俺が…」
「俺が獄寺に頼んだんだぞ」
彼女の言葉をさえぎって坊主は俺を見て言った。まるで全てを見透かしたような目で見つめられると、なんだか胸の奥がむず痒くなってくるから不思議だ。
「山本、お前マフィアになれ」
今朝彼女にも言われた言葉を坊主からも言われる。言い方は軽い感じなのになぜか言葉に重みがあるようで、それはずっしりと俺の中に響いた。
「…な、」
「何言ってんだよリボーン!」
俺が反応するより前に沢田さんがバシンと机を叩いた。その音に俺はびくりと驚くけれど、坊主はあの表情のまま眉1つ動かさない。。
「一般人に迷惑かけるなって前から言ってるだろ〜っ」
「だからうるさいって言ってるだろ。それにコイツは一般人なんかじゃねーぞ」
坊主はチラッと俺に視線を寄越すと、言った。
「生まれつきの殺し屋だ」
沢田さんが言葉につまったように黙ると、その場はシンと静まりかえった。そのまま誰もしゃべらない。
雰囲気を壊すようで申し訳ないんだけど、俺は今一つよくわかってなくて。頭をかきながら右手を挙げた。