長いおはなし
□ドリーミングガールとマフィアな僕《7》
1ページ/5ページ
教室に戻ると俺たちの話題は部活動案内の話でもちきりだった。中でも沢田さんの発表は印象が強かったせいか何度も話題にのぼり、中には「俺行ってみようかな」なんて言うやつが結構いて周りを驚かせた。
HRが終わり、野球部に行く前に確認しておこうとケータイを見る。すると、な、なんと獄寺さんからメールがきていた…!まさか獄寺さんの方からメールをくれるとは思ってなかったから、俺はびっくりして思わず何度も名前を確認してしまった。
しばらくの間獄寺隼人という文字をながめていた俺は、ふと我に返って慌ててメールを開く。内容は『リボーンさんが呼んでる。生徒指導室に来い。』だなんてそっけないものだったけど、そんなこと俺には関係ない。獄寺さんからメールが来たことが嬉しくて口元がニヤニヤするのを止められなかった。
急いで支度していると金井から声がかかる。
「武は今日も野球部か?」
そう言う金井はまだ椅子に座ったまま、身支度すらしていない。金井はどこの部に行くべきか、まだ悩んでいるらしい。すでに部活が決まっている俺をうらめしげに見た。
金井は背も高いし運動神経も良さそうだから、どの部からでも声がかかりそうなのに。俺はカバンを持ち、肩にかけるとニッコリ笑った。
「今日はこれから生徒指導室!」
言うが早いかすぐさま生徒指導室へと走りだした俺は知らない。
「……生徒指導室って…笑いながら行くところか?」
不思議そうに首を傾げた金井のつぶやきを。