絶対遵守の王のおはなし
□EWig wIEdErkeHReN 〜永遠回帰〜
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《03》
「スザク、お前も意外に役者だな?」
「見てたのか。C.C.はあの娘のことどう思う?」
「私の意見など聞かないでも、もう決まったことだろう」
部屋を出たスザクに声をかけたのは、白い仕官服に身を包んだ少女だった。
仕官服と言っても、彼女の為にデザインされており、普通の軍服とは異なっている。身体にフィットするシルエットは、スレンダーな彼女の魅力をよく引き出していた。
「いや、決まったのではなく、お前が決めたこと…か」
彼女の名前はC.C.。日本人でもブリタニア人でもない。
それでも、現在は日本国軍に籍を置く、スザクの副官でもある。
「さあ、どうだろう?」
「少なくとも、そうなるように仕向けたのだろう。なかなか面白いものを見せてもらったさ」
C.C.には、スザクの考えなんて全てお見通しだった。
ルルーシュに向けて吐いた言葉とは裏腹に、スザクは相当ルルーシュが気に入っている。
「まあ、これからも精々飽きさせるな」
「君を楽しませる為に結婚するわけじゃない」
「まあ、そうだな」
広がった袖をたなびかせ、不思議な笑みを浮かべるC.C.はスザクを置いて歩いていく。
「ホント、厄介な副官だな」
小さな背中を溜息混じりに見送った。
†