絶対遵守の王のおはなし

□きらきら☆CANDY DAYS
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【自業自得で反省をします】

「スザク、大丈夫ですか?」
「・・・・・・」

あら。まだ石化が解けないんですのね?
でも、放っておくと遅刻してしまうわ。
風紀委員のスザクが遅刻するのは、やっぱりいけないわよね。

「ねえ、スザク。スザクはなぜあんなことを言ってしまったの?」

売り言葉に買い言葉とはいえ、あれは失礼だと思うわ。
女の子に向かって、性格を非難した上、それが理由で恋人ができないなんて、親しき仲でも言ってはいけないこと。

「ルルーシュはとってもモテるのよ?スザクだって知ってるでしょう?」
「知ってる」

やっと戻ってきてくれた。

「あのね、ルルーシュだって困っていたのよ?ジノとロロが抱きついてきてしまって」
「…知ってる」
「知ってても、スザクはあんなことを言っちゃうの?」

なんて、スザクが意地悪を言ってしまう理由を私は知っているのだけれど。
でも、それをスザク自身が気づいていないから、言ってあげられない。

「だって、自分の妹だよ?心配に決まってる」
「だったら、信じてあげなくちゃ」

ルルーシュがこれまで恋人を作ったりしなかった理由だって、私は知っているもの。
だから、それをスザクが疑ったり、詰るのはいけないこと。

「ユフィは、ルルーシュのことをよくわかってるんだね」
「だって、幼馴染ですもの。それに、私も妹なんですよ」

昔から、強がりで負けず嫌いだったルルーシュ。
久しぶりに再会したけれど、それは変わってなかった。
もっとも、同じ妹といっても、私は二人姉妹の妹。
ルルーシュは三人兄妹の真ん中の妹。
きっと、同じではないのよね。

複雑ね、ルルーシュ。
私だってスザクみたいな兄がいたら、困ってしまうと思うもの。

「ルルーシュの恋人は、誰よりも信じられる人じゃないと嫌なんだ。だから、そんな、あんな簡単に……」
「じゃあ、そう言ってあげて?」
「言えないよ。今僕が言っても逆効果だと思うし」

もう!そういうところ、スザクのダメなところだと思うわ。
ルルーシュは言葉で言ってあげた方が安心すると思うんだけどな。

「じゃあ、ルルーシュが恋人を作っても文句は言えませんね。スザク、自業自得です。反省なさってくださいね」
「ユフィ」
「これまでルルーシュは、家の仕事をしっかりとこなしてきましたね。加えて、お勉強だって適当にやって学年の上位20位以内を常にキープしています。それに、生徒会のお仕事も、積極的とはいえませんが、真面目にこなしていますよ。…そろそろ、自由にしてあげてもいいんじゃないですか?」


ちょっと意地悪しちゃった。
確かにルルーシュが恋人を作らなかった一因は、それらのことも関係していると思うの。
でも、一番大きな要因はそこじゃない。
それに、ルルーシュは家事も、お勉強も、生徒会の仕事もイヤイヤやっているわけではないから、本当はスザクが気にする必要なんてないんだもの。

「…そうだね、ユフィの言うとおりだ。押し付けちゃ、ダメだよね」

あ、あれ?
私、間違えちゃったかしら?
スザクを落ち込ませるだけ落ち込ませちゃった。

…いい機会ですから一度くらいルルーシュのことを考えて、反省してみてください。

「大丈夫です、スザク。きっとルルーシュのことだから、素敵な恋人をみつけるわ」

きっと、ルルーシュが満足するような殿方なんて、簡単には見つからないのだろうけど。
わかっていて、少し意地悪。



早く気付くといいわね。
どうして、そこまで辛いと感じてしまうのか。
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