絶対遵守の王のおはなし

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「…ランペルージ、ここの処理教えて」
「……」

呆れた視線。
まあ、当然ですよね。


中等部2年の時から生徒会に入っている僕。かたや、2年目のルルーシュ。

何故僕が教わっているのだろう。
手伝う所か足手まといだ。


あからさまに溜息をつきつつも、丁寧に教えてくれるルルーシュ。


顔が近い。

睫毛、長いな。
まだまだ幼さの残る頬。

「ランペルージ」
「なんですか?」

ただ、呼びたくなった。

「…ルルーシュ」


ルルーシュは真っ赤になって、僕を突き飛ばした。
細くて、小さくて、力のないルルーシュだけど、よろめくくらいの衝撃はある。


窓際まで逃げたルルーシュは、右手を胸に当て、俯いている。
まだ頬を染めて。


嫌われてはいないと思う。
でも、それが僕の持っている気持ちとは同じだとは思わない。


「怒った?」


急に名前で呼んだからかと思った。

「それとも、驚いた?」

少し肩が震えたところを見ると、図星だろう。
脳内では常にファーストネームで呼んでいるけど、本人に向かって言ったことなど無かった。



「…枢木先輩」
「なに?」

いつも自信満々のルルーシュにしては珍しい、震えた声。



「僕は…先輩になら、何をされてもいいと思っています」

は?

何を言った?

「何って、な…に」


声が裏返ってしまった。


「いろいろ…です」

目線を反らし、さらに真っ赤になる。
可愛い…な。

「マッサージ…とか?」
「はい」

君の力ではあまり効かないかもしれない。

「買い出しとか?」
「はい」

どちらかといえば、一緒に行きたい。

「宿題やって?」
「…わかる範囲で」

きっとルルーシュならできるだろう、高二のテキストくらい。

「……キスとか」
「……」
「その先…とか?」



窓際に近付けば、ルルーシュは真っ赤な顔を少しだけ縦に振った、気がした。

勘違いしても、仕方ないだろ。
いや、これは僕の気持ちを知った上での肯定でしか有り得ない。


そのまま、口づけたくなった。
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