絶対遵守の王のおはなし

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「ストーップ!」
「スザク、何してんのよ!!」


何って、こっちの台詞だ。
生徒会室に飛び込んできたのはいつものメンバー。
第一声はミレイ会長。

まさにルルーシュに襲い掛からんとばかりの僕に殴り掛かってきたのは、同級生のカレン。


「ルルーシュ、平気?」

ルルーシュに駆け寄ったのは中等部3年のアーニャ。



「…僕、騙されました?」

どうせ僕の気持ちなんて、皆に知られていたんだろうし。
全員ニマニマ笑っている。
からかわれただけか。

くそ…泣かないぞ。



「いや〜、スザク最高だったぞ!」
「いいうろたえっぷりだったな」

悪友、ジノとリヴァルなんて、全力で笑っている。
ムカつくな…。

「ルルの演技もよかったね」

わかってる。
シャーリーに悪気がないことくらい。


「ちょっとスザク、なに涙目になってるのよ!ちょっとしたサプライズじゃない」
「サプライズ?」

キョトンとして聞き返すと、ルルーシュがまたもや呆れた様子で溜息をつく。

「ほら、会長。やっぱり忘れてたじゃないですか」
「つまんな〜い!でも、スザクのリアクションは面白かったからよし!」


僕以外の全員が納得しているらしい。
一体なんなんだ?
いつもの会長のいたずらじゃないの?

「枢木先輩、お誕生日おめでとうございます」

ルルーシュが、笑ってそう言った。


「あっ」


それをきっかけにしたように、みんながクラッカーを鳴らす。
そして、たくさんの祝福。


そっか、この為のサプライズ。
正直、辛いサプライズだったけど、祝ってくれる人がいるって素晴らしいな。

会長の指示で、みんなが料理を運んで来る。手伝おうとしたら止められてしまった。
今日は主賓だから座っているように、と。


ピザを運んできたルルーシュと目が合った。

結局、僕の片思いは継続中ということだ。
しかも、気まずい。


思わず苦笑した僕に、ルルーシュが近づいてきた。
そして、耳元で囁く。


「さっきの…嘘ではないんで」


スタスタと次の物を取りに行ってしまったルルーシュの耳が赤く染まっていた。


「スザク、お前真っ赤だぞ?」


ジュースを持ってきたジノがそんなことを言ったけど、何も耳に入らない。


今の言葉が本当なら、僕の片思いは終わったことになる。

ああ、最高の誕生日だ。
そして、最高のプレゼント。



それをくれた「僕の恋人」は、3歳年下の発展途上の美少年、ルルーシュ・ランペルージ。

まずは、一緒に帰ろうと誘ってみよう。






HAPPY BIRTHDAY スザク!
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