絶対遵守の王のおはなし

□罪は何処へいったのか
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『ランペルージを手に入れなければ、ここに来た意味がないからな』
『まあ、そうだろうね』
『それに、この子たちを育てるので精一杯だ』
『ご苦労様です』
『それも幸せなんだ』



明らかに、双子を生んでからの彼女は、活き活きとしていた。
美しさ5割増し。

どこまで魅了すれば気が済むのかと、溜息が尽きなかった。



通い続ける僕。
ランペルージの事業を大きくしていく彼女。


その姿は僕の片想いを世間に知らせたことだろう。
もっとも、好意的な見方をしてくれる人は、友人関係なのだと判断してくれたのだけれど。



「素直で、活発で…父親によく似ているんだ」


抱きしめてしまえたら。
口付けてしまえたら。

どんなに、幸せなんだろう。


「聡明なところは、貴女によく似ていらっしゃいます」


でも、それが叶わないのは僕の罪。

「ナナリーは、おとうさまより、くるるぎきょうがすきです!」
「ぼくも!!」

そして、純粋なこどもたちからの言葉は…僕への罰。



叶うなら。

いつの日か。



彼女の隣に…。


「だって、おかあさまもくるるぎきょうがすきだもん」
「すきっていってるもん」


「え?」
「こ、こら!」







もしかしたら、それは遠くない未来に。











END
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