絶対遵守の王のおはなし

□罪は何処へいったのか
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「枢木卿」
「ランペルージ夫人、ご無沙汰しています」
「エリア17へ行っていたと伺っている。卿が留守の間、ナナリーとロロが毎日無事を祈っていたんだ」
「本当ですか?それは光栄です。そうだ、二人にお土産を買ってきたんですよ」

僕は枢木スザク。
名誉ブリタニア人初のナイトオブラウンズ。
ナイトオブセブンというのが、僕の肩書きだ。

本来はナンバーズ出身者がなれる立場ではないのだが、ラウンズ入りに尽力してくれた人がいたお陰で今がある。

一人はかねてからの上司であるロイド・アスプルンド伯爵。

そして、もう一人がこの美しい人の夫であるランペルージ公爵。

この二人がいなければ、今の僕も、平和な日本もなかったことだろう。


この美女はランペルージ公爵夫人。
今はこの屋敷の主でもある、僕と同じ歳、20歳の女性だ。


僕がラウンズ入りをしたのは16歳の時。
彼女がランペルージ家に嫁いだのも同じ16。

お互いに、数奇な人生を歩んでいるともいえる。


彼女は、親子ほどに歳の差のあるランペルージ公爵の妻となった。
その歳まで公爵は未婚であること、またあまりの年齢差に、当初は批難や嘲笑の的だったのを覚えている。
でも、誰もが彼女を一目見て、公爵の暴挙を認めずに入られなかったという。

それほどに、彼女は美しかった。



「くるるぎきょう!!」
「おひさしぶりです!」


夫人に連れられ向ったのは子供部屋。
ミルクティーのような甘い髪と澄んだ紫色の瞳を持った二人のこども。
今年4歳になる夫人の実子だ。

「久しぶりだね、ナナリー、ロロ」

双子は夫人とは似ているけれど、公爵には似ていない。


彼女が双子を身籠り生んだのは、17の歳。
そして、彼女が夫を失ったのもその歳だった。


つまり、公爵はこの若くて美しい人を娶り、1年でこの世を去ったのだ。



僕が彼女を初めて見たのもその頃。
公爵の葬儀に出向いた時、黒一色に身を包み泣きもせずに佇む彼女に…不謹慎にも見とれてしまった。



「お土産を持ってきたよ。エリア17の伝統的なお菓子とおもちゃだよ」
「わあ!ありがとおございます」
「くるるぎきょう、ありがとございます」


可愛い双子。
膝を突いて二人の頭を撫でると、それを夫人…ルルーシュ・ラペルージが優しい瞳で見つめている。
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