夕 顔

□伊達男の畢生の業、良工は材を択ばず
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(#男子高校生のある夕暮れ)
(#さわりでも一緒にバレーやらない?)
(#胃袋を掴んでる)
(#会話のみ)


「この際だから単刀直入に聞くけどバレーやんねぇの?夜ならいい線行くと思うんだよね。それに夜の周りは何故か俺も含めてバレー人間多いんでしょ?触発されそうなんだけど」
「其れに於いては、御都合的な見えない力が働いてる訳ね。世の中には解明できない不思議な現象はたくさんあるのよ、堅治クン」
そう言いながら期間限定フラッペを嬉しそうに飲む夜に対し二口は「はあー?随分とらしくねぇ事言うじゃん」と軽く驚き言葉を放つ。

「先ず俺の通う学校にはバレー部無いの。んでバレー人間の友人一同はタダノブカツくんは居なくて各々の感が強く伝わる。やるとしても俺の場合どうしても中途半端になるし生半可は失礼と思ってる。まあ或る意味、触発されてるよね。ーーんんっ、この子見た目も味も可愛い。夢中になりそう」
「…夜って甘いの好きだよな。結構食うし、どうやって此の体型を維持管理してんの?身体ん中見せてよ」
「体質です。あと皆が寝てる間にガッツリ筋トレと運動、全身全てメンテナンス」
「…げ、はかり知れない…(そうだった、ショートスリーパーだったわ)あー、あのさ、伊達工のバレー部合宿やる時に(夜の予定や都合が合う前提にはなるけど)少しでも時間作って軽くボール触れてみない?体験って考えればそんな固く考え無くても良いだろ。つーか夜が、とかでは無くて、俺は純粋に誰もがバレーに触れる機会くらいあっても良いと思うけどな!学校の体育でも選択科目として採用してるし、それに如何しても一人じゃ出来ない事もあるスポーツなわけだし?良き人生経験よ。ーーっ、あと合宿でのウチのマネの手伝いしてほしい。飯やら洗濯やら飯やら力仕事やら飯やら(これ実は結構切実)」
「ふふっ、堅治は優しくてイイ後輩だね。
運動部男子高校生の腹を満たす担当とはそりゃ作り甲斐あるし。まぁでも現実的には俺の一存では決めかねる件なもんで、めんどくせー手続きやら諸所への説明、学校通して公式依頼で話持って来れば喜んで、なんだけど?さぁて、この件でも果たして見えない不思議な力は働くかな?なんてね。あ、俺ケーキ食うから買ってくるけど堅治もホットサンドか何か食う?」
「…フッ、言ったな?言質取ったからな(コイツまだ甘いの食うの?)」

▷▶︎▷

「あのさ、夜って普段勉強どうしてんの?やっぱり一日何時間もガリ勉やってんの?」
「ん?あぁ、瞬間記憶能力でパシャリ☆ってやつ。それを何時でも何処でも瞬時に引き出せる様に頭ん中で自分なりに組み立てて整理しとけば完成っす」
「〜〜クッソ腹立つッ!!悩みねぇだろ?」
「ある。1日24時間じゃ足りない事」
「っはー?!」
「俺は鬼や妖怪じゃないから急所を突かれれば簡単に死ぬわけね。今の平和な世の為に様々な事と戦った先人の方々に感謝して生きたい。自宅でポチりハイ完了ばかりじゃなくて、こうして甘味や茶を飲みに行ったり食べ歩いたりしたい。旅行や買い物はじめ自分の趣味もしたいし女の子ともゆっくりイチャつきたい。要するに欲を言えば健全な男子高校生満喫するのに時間がもう少し欲しいわけよ、」
「言いたい事は何となく分かったけど鬼や妖怪の件は前世の話か何かかな。俺に神秘的な話と女の話したら(こっちは羨ましくて)俺の心が折れるぞ」
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