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(⚠︎︎流血表現)(宮兄弟3年生春高期間)(なまえちゃん医学生)(⚠︎︎これは夢小説です)

「〜〜ッ…あ、あざといのう。垂れ耳子うさぎは俺らに捕食される側やろ?偉そうに指図すんな」
「!?ンなっ…おいコラ、ツム!みょうじさん、すんません…あんな…」
「"どうか侑くんの応急処置させてください。献身的にします。その後は私をたっぷりと美味しく残さず食べてください♡"やろ?ほら、三つ指ついてオネダリしてみ。おりこうさんに出来たら…ッ!?〜〜グァァ痛"ーーッ!何すんねんこんのヘタクソ!もっと優しくせぇや…!」
「はじめまして、稲荷崎高校の宮侑くん。今回は掠り傷なので先生では無く私で十分でした。そして貴方の言う"おりこうさん"に消毒出来ましたね。はい、御褒美にうさぎの絆創膏ぺたん」
「はァ!?これの何処が軽いんじゃい!ちょびっとだけ抉っとるやろちゃんと見てんのかヤブ医者!大体ガキ扱いすんな…ッ」
「それでは次、宮治くん。消毒するのでどうぞ椅子にお座りください」
「おりょ、ちっとも痛ない…!みょうじ先生は上手やな〜!直ぐに治りそうや」
「ふふっ、ありがとう。…はい、手当終わったよ」
「ありがとぉ(ほっこり)俺にもうさぎの絆創膏貼ってや〜」
「いいよ。わ、可愛い!似合ってる」
「やろ?」
「〜〜こンのっ…サムには白衣の天使か!?散々可愛がった後にその薄い腹から喰ったるからな覚えとけ!」
「宮くん、あまり暴れると御褒美の絆創膏がとれちゃうけど…いいの?」
「それはアカン!アカンけど…!」
「似合ってるよ。試合中も付けといてくれる?」
「へ…っ…!?(ぽふん)」
「〜〜〜!!(プルプル震えながら必死に笑いを堪えている治)」

「なんやえらい可愛いの付けとるやん双子」
「それに怖いくらいご機嫌やな」
「オッホホ(カシャカシャカシャカシャ)」

◇◇◇

「二人とも、大変…!」
「「(サム)(ツム)が邪魔んトコ突っ立ってるから悪いんや!」」
なまえちゃん聞いてや、なんて慈悲深き彼女にとっぷり甘えながら便乗し、テキパキと動く細い腕をどさくさに紛れては握る。ーーこの腕を掻き攫って自分専属の女に出来たら、なんて常に思う。

「なまえちゃん、悪いんだけど検査の準備するからその間この子達の応急手当のお世話頼んでも良いかな?はいこれ、医療用手袋」
「わかりました。先生、どうか二人を宜しくお願いします」
「「(キュン)」」
自身らにとっては高校最後の大切な春高を控える宮双子は、練習中に互いに強く接触し床にガツン、と口と鼻を強打しダラダラと流血して仕舞った。幸いな事に試合まで時間はあるので、完璧な処置をして医師からの許可が下りれば無事に参加出来る。こんな大切な時に怪我なんかしたのはお前の所為だ、なんて、ガルガルと啀み合う二人を見れば、頭も身体も元気そうではあるので其処は安心ではあるのだが、とにかく先ずは素早く止血しスムーズな流れで医師に状態確認をして貰うのが先決である。なまえはバチバチ啀み合う双方の真ん中にするりと割り込み、互いの片方の腕にぎゅっ、と自身の腕を回して捕まえ、ちゃっちゃと椅子に座らせ処置を素早く施すのだ。

「侑くん、治くん。いい子だから座ってくれる?」
「「はい(なまえちゃんのおっぱい腕に当たっとる…可愛い…やわこい…)」」

ーーー
ーー


「なまえちゃんの将来は女医やもんな!かっこええなぁ。とにかく俺は幸せや。なまえちゃんはイイ女やって周りにめちゃくちゃ自慢したる!ほんで俺の将来の面倒もよろしゅう」
「ふふ、1年前にこの場所で初めて会った時の事、覚えてる?同一人物とは思えない言葉をありがとうございます…はい侑くん、少しお口開けて貰って良い?」
「な"ッ…!?〜〜あん時は、すまんて!なまえちゃんに惚れて照れ臭くてつい意地悪言うてもうたんや…!堪忍して…〜〜む"ぁ!?」
侑の言葉を遮り口内になまえの細い指を一本、クッ…と軽く差し込む。だらぁ…と口内から溢れた鮮血を的確に施し「あ、良かった…舌は切れてない。歯も大丈夫だね。それに流血は酷く見えるけど傷は浅いよ」と彼女がホッと安堵すれば「〜〜ッ…!俺の口に指突っ込むなんて人生でなまえちゃんだけやぞ!こんな幼気な男捕まえて何も責任とらんなんてあんまりや…!可愛い見た目してるクセに意外と強引なんやから…!」とアセアセしつつ顔を真っ赤に染め上げる侑に、驚かせてごめんね?とふわり、と微笑み謝りながら大きな背中を押して医師へと渡せば、次は治の番である。此方は目の当たりの軽い傷、そして鼻血がボタボタ…ッと流れている為、先ずは粘膜を丁寧に止血していった。

「フハハッ…!確かに去年のアレは流石に俺も肝が冷えたわ(女に惚れて霆穿かれたと同時に肝冷えるなんぞ人生でこの先もこの子だけやで)」
「ほんとにね。それでも私にとって侑くんとのずっと忘れない大切な思い出だよ?」
「ーーええなぁ、ツム…なまえちゃんに一生残したンやもん」
「?治くんだってそうだよ。ーー貴方を雑誌で見た時から、灰色の瞳の奥の特有の色の輝きにずっと憧れてた。初めて視線を合わせた時、動けなかったあの感覚は、ずっとずっと忘れないよ」
「(ヒュッ)…ほんなら、なまえちゃんは俺とツムの見分けつく?」
「うん。だって瞳の奥底で揺らめく強い特有の輝きの色が、二人は全く別の色で異なるもの。ふふっ、あとは空気で分かるよ。例えば、二人の精神だけが入れ替わったとしても直ぐに分かるからね?」
「〜〜ッ…なんッやそれ…!ちょ、なまえちゃん…待っ…」
「治くん、お願い…もっと見せて…」
「〜〜ックソ!ドえらい殺し文句やな…!」
その気に成れば彼女の唇を奪える距離にあった。なまえが治の目の下を優しくツッ…となぞれば、遂には堪え切れなくなり、かぁぁッ、と顔を真っ赤にし鼻奥から追加でドロリ、とした感覚が治を襲う。治くんも大丈夫そうだから血液が止まったら先生にみてもらってね、と彼女特有の雰囲気に包み込まれては痛い程に胸が高鳴るーーと同時に、理性で確りと悟る。彼女にしてみたら、傷の手当をするのが目的で男女の仲の惚れた腫れたな意味合いは全く無い。

「堪忍な、なまえちゃん…」
「うん?」
「ーー今はまだ諦め無くてもええ?俺もツムもいつか必ず自分に決着つけたるから」
「…治くん?」
「おん。俺の最後のバレーボール…なまえちゃんに見てほしい。ーーそんで、なまえちゃんにずっと覚えとって欲しい。…頼む」
「…もちろんだよ。目に焼き付けるからね」
治の瞳の奥の狐火がなまえを捉えれば、こくり、と頷くしかない。やはり彼らが宿す神秘的な力の前では、ぴたっ、と身体が動かなくなり謂わば逆らえないのだ。
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