拍手御礼

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「〜〜はじめちゃんっ、まって…!」
「だから午前中は虫取りに行くって何度も言ってただろ!家で待ってろって言ってんのに何でぽてぽて着いてくんだよぼけ!お前はさっさと俺ん家帰れ!」
「!?…ごめ、な…ひっく…ぐじゅ…」
「ッあ"〜〜いちいち泣くな!泣き虫!」
ある幼なじみ達は未だ小学生低学年であった季節的には蝉が鳴き始めた頃の懐かしい一面である思い出話ーー幼なじみの内一人である岩泉を含めた虫取り大好き男子達と活発女子数人と、何故だかこのメンバーには似つかわしくない真っ白のワンピースと麦わら帽子がとても似合う少女がその場に居り、その少女だけが悲しい表情をし涙を流しながらも、それでも岩泉から離れたくなく必死にグループに着いて追いかけていた。

「ハジメの言う通りだよ!お前うるさいから帰れ!」
「ねー!もう泣くならバイバイ!」
「大体、何でいっつも"はじめちゃん"って言ってぴょこぴょこ着いてくるの?迷惑なの分からない?」
「この子とろいんだもん、やだ!」
「っ……ご、ごめ、なさ…」
「ーー!?(ブチィッ)」
ひぐひぐ泣くくせに必死で岩泉に着いてくる少女に対し、徐々に苛立ちを見せる周囲の子供達は、岩泉の言葉の後に自身らも調子に火がついて次々に少女を攻め立てる。
その場に立ち竦む少女は真っ白なワンピースの裾を握り締め麦わら帽子の下でぽたぽた…と大粒の涙を溢れさせては震えながら小さく謝るのだがーー数名からこんなに強く言われたとしても、それでも少女は岩泉と離れたく無かった。彼女曰く"だって約束したんだもの。"…その内1人調子に乗った男の子が謝る少女の肩に触れては自身らとの距離を取らせようとした。

「〜〜大体、オマエ俺が話しかけると反応薄くてつまんねぇくせにハジメやトールにはニコニコ嬉しそうにしやがって!可愛いからってチョーシのんな!」
「〜〜っ、」
「オイてめぇ何しやがる。軽々しく触んな!お前らもさっきから黙って聞いてりゃいい気になりやがって!いいか誰もコイツ泣かすんじゃねェぞ!少しでも泣かせた奴は俺が全員ぶっ飛ばすからな!」
「ーー!?なっ…ハジメだって言って「俺は良いんだよずっと傍に居て面倒みるんだから!いいか良く聞け。他の奴はコイツを二度と泣かせるな、いじめるな、軽々しく触んな、わかったかよ!」〜〜ヒィッ!?わ、わかったから…!」
「はじめ、ちゃん…」
「お前は先に俺ん家に帰って待ってろ。…そしたら一緒に約束してたスイカ食おうぜ」
「うんっ…うん…!」
「〜〜っ、先言っとくけど、それ少しだけカブトムシの餌にするんだから忘れんなよ。お前食いしん坊だから全部食っちまいそうだし」
「うんっ…わかってる!はじめちゃん絶対にすぐ来てね?ずっと待ってるからね」
「ーー俺がお前との約束を破るわけねぇだろ」
岩泉の言葉で虹がキラキラ、と差す。そんなある夏のお話。

(#岩泉少年と女の子)(#コープス・リバイバー)

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