オタカラ

□トワリン×リンク…
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「ふぁあぁぁ…」


皆のお母さん的存在のリンクは、本日何度目かわからないあくびを繰り出した。







お昼寝をしよう!








朝から何十人分もの料理を作り、何十人分もの洗濯をして、広すぎる屋敷内の掃除をする。
もちろん屋敷にはお手伝いロボットがいるのだが、リンクはそれに頼ろうとはしない。まぁ掃除に関してはロボットに手伝わせることがあるけれど、それもほんの少しだけ。
家事は自分の担当だから、と言って聞かないのだ。

朝早く起きて夜遅く寝る。
それが毎日とあってはこう欠伸をしてしまうのも無理はない。

「(眠いなぁ…でもダメだ、あと数時間したらおやつの準備、しなきゃ…)」

そう思っていても、欠伸は止まらない。そう考えると余計に欠伸が出てしまう。必死に欠伸を噛み殺しながら昼食後の片付けをしていた。
全てが洗い終わり、濡れた手をエプロンで拭い再び大きな欠伸をする。一応周りを確認してからである。
しかし欠伸が出た瞬間、トワリンが姿を現した。
もちろん、バッチリ見られている。

「ッ…大きな欠伸」
「はっ!い、今のはえと、その…っ!」
「くくっ…はは、分かってるよ。みんなには黙っておくから。それよりも、最近全然寝てないんじゃないか?眼の下に隈ができてる」
「えぇ、まぁ…」
「おやつの時間まで時間あるし、横になったらどうだ?
いつ倒れるか分かったもんじゃないし」

リンクの大欠伸を目の当たりにしたトワリンは笑いを耐えながらリンクにそう言う。そうもいかないとリンクはおやつの下準備に取り掛かろうとするが、トワリンに手を掴まれてそれを阻止されてしまう。
それでもなお作業をしようとトワリンと向き合って話をしていると、その声を聞きつけてトゥーンがひょっこりと顔を出した。

「あれ?トワ兄ちゃんにリンク兄ちゃん、何してるの?」

大きな目を二人に向けて尋ねる。その姿を見てトワリンは目を輝かせた。


――これならいける!


トワリンはリンクの背後に回り、その背を押しながら言った。

「実はな、ご先祖様が最近ちゃんと寝れてないんだ。ほら、眼の下に黒いのができてるだろ?
それで横になれって言ったんだけど…寝ようとしないんだ、おやつの準備があるからって」
「ぇえ!?そうなの!?それじゃあ寝なきゃダメだよ!
おやつは大丈夫!僕、カービィに言ってくる!!」

そう言って早足に部屋を出ていくトゥーン。ニヤリと笑うトワリンにリンクは小さくため息をつき、言う。

「…卑怯ですよ、子供を使うなんて。俺がトゥーンに弱いの知ってて言ってるんですか?」
「当たり前だろ?というよりご先祖様は子供軍団に弱いんだ」
「はぁ…俺の完敗、ですね」
「カービィに言って来たよ!!今日は大丈夫だって!
今ちょうどいたアイクに布団しいてくれるように頼んできたから、行こう!!」

そう言って息を切らしながらリンクの腕を引く。引っ張られたリンクはトワリンの腕を引く。
まさかの展開にトワリンは目を見開いてリンクを見つめると、リンクは片目をつぶって悪だくみをしている子供のように口元をつりあげて言った。

「なら、トワも一緒に寝ましょう。このことを言い出したのはあなたですからね」
「…はは」
「じゃあ僕も一緒に寝るー!!」

にっこりと笑って二人を見上げるトゥーンの頭を撫で、リンクは言った。

「じゃあ三人で、寝ましょうか」






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