精神公演義第1巻(旧)

□第1話
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気合一発!とばかりにアツシは小池に向かっていった。小池とアツシは互いに両手を握り合い、力比べになった。2人とも力みのあまり、顔が真っ赤になってまで頑張っている。

が、体格において勝っている小池が押し切った。ならば、と、アツシはパンチを繰り出すが、巧くガードされる。また小池も拳を出し、殴打戦が始まった。

コウジ「ジリ貧だな…こうなりゃ…。」

ウェンダ「おい、どこへ行く気だ!?」

コウジ「くっ、しまった…。見つかったか…。」

卑怯なことにコウジはアツシを見捨てて自分だけ逃げようとしたが、ウェンダに見つかってしまった。ウェンダは懐からピストルを取り出し、コウジに向けた。

アツシ「テメー、何1人だけ逃げようとしてんだ!?何がくっ、しまった…だよ!?」

アツシがコウジに目をやったその隙に、

[ドゴッ]

小池のボディブローが決まった。

アツシ「がふっ…」

小池「まだまだァ!」

猛ラッシュがアツシを襲う。

数組の観光客がギャラリーとして彼らを取り巻く中、アツシは意気込み空しく小池にボコボコにされて、白目を向いて意識を失った。両手に扇子を持って踊りながら機嫌良く応援するウェンダとは対称的に、コウジは顔面が真っ青になっていた。

ウェンダ「へっ、他愛も無ぇな。」

コウジ「ア、アツシ…。」

小池「次はてめえの番だ。」

コウジ「ひぃーっ!」

コウジは腰を抜かして後ずさりするが、小池はのっしのっしと追ってくる。

小池「覚悟しな!」

小池が拳を振りかざし、コウジを殴ろうとしたまさにその時であった。

テツキ「ちょっと待った!」
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