精神公演義

□第7話
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デリオ「デリにもう1人メンバーが!?」

新事実に仰天するデリオ。

スギヤ「言っとくけど一郎でもお前でもねェぜ?現在デリはそいつを含めて6人パーティなんだ。」

デリオ「そうだったんだ…。」

ミズナ「それもさァ、聞いて驚き!そいつは何と!この家に住んでるんだぜィ!?」

デリオ「えー!?こんな近くにいたの?何で気づかなかったんだろう…。」

この家とは芝政商店である。ここには芝政一郎とテツキの他に、もう1人住人がいたのだ。

デリオ「てことは…一郎のご家族?」

アツシ「惜しい。家族ってのは正解だが…。」

コウジ「一郎じゃなくて霧くんの家族なんだよ!」

デリオ「ええー!?」

因みに一郎自身はもう既に嫁に逃げられている。

テツキ「ああ、おれの弟なんだよ。5歳下でさ。」

霧崎テツキの実の弟が、兄貴のバカと一緒に芝政商店に奉公に来ているのだ。能力者でもあることは、言うまでもない。

デリオ「そうなの?!弟ね。…あっ、そう言えば、ランドセルが茶の間に置いてあるのは見たことあったっけ。あれミズナのかと思ってたよ。」

ミズナ「ざけんなァ!あたしゃランドセルは赤派じゃボケェ!あっ、間違えた。元!赤派じゃボケェ!」

デリオが見かけたことがあるのは使い古された黒のランドセルである。17歳のテツキの5つ下ということは12歳、小学6年生。あれは弟のものだったというわけである。どうでもいいことだが、ミズナは確かにねんねっちいものの、小学生ではない。

デリオ「でも何で今まで一度も会わなかったんだろう…。この家に住んでるんだったら、何度か見かけてもいいはずなのに。」

テツキ「理由は簡単。レトの奴はな、極度の人見知りなんだよ。」

弟の名は霧崎レトというらしい。

コウジ「デリオがこの店に出入りしてると知ってからは、お前のこと避けてんだよ。」

デリオ「何それ傷つく…。別に仲良くしたらいいのに。」

テツキ「あーそうだ。レトもデリの貴重な戦力なんだ。熊坂に伍するにはあいつの力も必要になってくるだろう。デリオとも打ち解けてもらわなきゃならん。」

ミズナ「学校から帰ったらすぐ部屋に閉じこもるからねェ。扉こじ開けてやろうぜィ。」

部屋の戸は改造して、中から鍵がかけられる仕様になっている。それゆえ、同居人のテツキや一郎も滅多なことが無い限りレトの部屋に入ることはない。

デリオ「そうだね。いつまでもこんな状態を放置しておくわけにもいかないよね。レトにも会って挨拶しとかなきゃ。」

アツシ「ククク、部屋の鍵対策なら俺に任せな!針金一本でどんな鍵でもこじ開けてやるよ。ピッキングなら誰にも負けねェぜ!」

テツキ「留守宅に盗みに入ったりすんなよ泥棒髭!」

犯罪に手を染める男・アツシを叱るテツキであった。
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