精神公演義第1巻(旧)

□第7話
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無念の作戦頓挫でやることが無くなったデリの皆は、しゃーなしで仕事の方を頑張っていた。雪がちらつく中、一郎と2人で警備に就くテツキ。正午だというのに、日が雲に隠れているせいで頗る寒い。

テツキ「昼だなー。…こういう寒い日は温かい物を食べたいな。」

一郎「おお、そうだテツキよ。この近くに新しくラーメン屋が出来たのを知っとるか?」

テツキ「へーっ、知らなかった。いいじゃんラーメン。」

一郎「何でも、店主はラーメンの聖地からやってきた凄腕らしいぞ?」

テツキ「本場仕込か!?行こうぜ一郎!!」

てなわけでテツキと一郎は件のラーメン店へと足を運んだ。

『麺酒家』。本格的な風格のある店である。昼時ではあったが、待つことなく店内に入れた。

一郎「“店主・麺師王(ミェン シーワン)”か…。磨皺国の出身かのー?」

磨皺国は帝国西部地方のチャイニーズカントリーである。

テツキ「何注文しようかねー。」

テツキと一郎はメニューを手に取る。

ホールスタッフ「お待たせしました塩ラーメンでーす。」

隣の席の客に注文が届いた。お客がラーメンに七味唐辛子をかけようとすると、

店主「アイ呀(ヤ)ァァァァァ!!!おまっ、何やってんだテメッ!!我が特製の面条(ミェンジァオ)に何さらしてくれとんじゃ豬酵添(ジュージァオティエン)がァァァっ!!!」

突然キッチンから店主が出現し、中国語交じりで客を罵倒する。アイヤーのアイは漢字変換出なかったので、カタカナでご勘弁を。

テツキ「…てっ、店主?!」

店主「七味唐辛子なんざ愚の骨頂!!こんなもん、こうしてやるぅあっ!!!」

怒りに猛り狂った店主は七味唐辛子の入った小瓶を思いっきり投げつけた!一郎の方へ…。

一郎「ぎゃばん!!」

まぁ、手が滑ったのだろうが。

店主「ラーメンのイロハも分からん貴様なんぞにうちの美味しーのラーメンを食う資格は無いっ!ほら、さっさとけぇったけぇった!!」

店主は折角客に出したラーメンを取り上げる。お客は半泣きの顔で店を出て行った。

テツキ「何だラーメンのイロハて…。」

一郎「客に小瓶をぶつけるなんて、何て店だ!」



ホールスタッフ「お待たせしました味噌ラーメンでーす。」

今度はテツキらを挟んで反対隣の客に注文の料理が届く。

客は二の轍を踏まないようラーメンに何もかけずに食べ始める。すると、またもや厨房から店主が飛んできた。

店主「啊(ア)ぁぁぁぁぁ!!!やめーい!!!気が痴れたかテメー这个小子(ゼイガシャオシ)ァっ!」

テツキ「またか!今度は何だ!!」
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