文(OO:白刹那)
□プロローグ
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act.0…プロローグ
「ロックオン…。やっぱり僕…って変か…?」
「い…いや…。決して変ってワケじゃ無いんだが…その……」
…そう。
『変』じゃない。
寧ろ犯罪的に可愛い。
目の前に立っているのは間違いなく『刹那』。
但し、普段の『刹那』ではない。
目の前の『刹那』は自らのシャツの胸元を軽く握り締め、縋るような弱々しい視線でロックオンを見つめている。
…しかも上目遣いで。
それは正に人畜無害で無防備な『子猫』…と言うべきか。
自らを『僕』と呼び、普段は見せない感情表情を素直に露わにする様は、いっそ猫耳つけて鈴付きの赤い首輪を嵌めて頬摺りしてみたくなる程の愛らしさと破壊力を兼ね備えている。
演技だと分かっていても、果たしてこの愛くるしい『刹那』に逆らえる者がいるのだろうか…。
それが出来るのは、恐らく『エクシア』だけだろう…。
キッカケはアザディスタンへのミッションを終えた後。
現地の人間のフリをしたにも関わらず、1人のユニオンの人間に正体がバレそうになったという刹那が、演技の練習に付き合って欲しいと言い出したのだ。
一体どんな演技をしたんだ…という好奇心もありロックオンは快諾し、それを聞いたトレミーのクルー全員が協力する事になった。
刹那の『練習』は、夜明けと共に突如始まる事になる。