裏(休止中)

□PinkDiamond(順次UP中)
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「よし、これで買い物は全部だな。…ったく、人使い荒いぜミス・スメラギも」

車のトランクに全ての荷物を積み終えたロックオンは、ヤレヤレといった様子で肩を竦めながら「お疲れさん」と刹那の髪を軽く撫でる。

「…子供扱いするな。コレぐらいの買い出しで疲れたりしない」

「…悪い悪い。どうも撫でたくなる位置にあるんだよなぁ…お前の頭」

不服そうにボヤきながらも嫌がる素振りは見せない刹那の反応にクックッと肩を揺らして笑い。

「仕方ない…お詫びに大人扱いしてやるか」

ロックオンは刹那の頭をポンと軽く撫でると、エスコートするように車の助手席のドアを開けて少年を車内へ誘う。

「ほら、刹那の為の特等席。トレミーへ戻るのは明日の朝だからな…折角地上に来てるんだ、このままドライブデートと洒落込もうぜ?」

刹那が助手席に乗り込むのを確認すると自らも運転席に乗り込み、気温の下がり始めた夕暮れの街中に車を走らせる。

「よく言う…聞いた話じゃ良く女を侍らせてるらしいじゃないか」
「ハァ!?…ったく誰だよ、んなデマ流した奴は。まぁ足に使われる事はあっても、少なくとも助手席にはお前さんしか乗せたことないぜ?」

「…そう、なのか?」

「そうよ〜?恋人の言葉ぐらいは信じて欲しいなぁ…刹那くん」

「…わかった、信じる」
おどけた様子で話すロックオンに、刹那は思わず微かに笑いを吹き出すと、はにかむ様な笑顔を見せながら頷いた。

「ともあれ、刹那に妬いて貰えたのは俺としては嬉しい限りだけどな。…よし、着いたぞ?」

「誰も妬いてなんか…って、此処は?」

「ふふん…知る人ぞ知る恋人達のデートスポットだ。綺麗だろ?」

街を抜け、日が暮れた頃に到着したのは海を望む丘。
見慣れた無人島の海とは異なるのは、向こう岸に見える宝石の様な街明かり。

「確かに綺麗だけど…落ち着かない」

フロントガラスから見える景色は確かに綺麗だった。
しかしデートスポットであるこの場所には自分達の周囲には他の車も数台停車しており、その一部の車内では明らかに行為に及んでいる者もいて。
目のやり場に困っている刹那の顎をクイッと指先で引き寄せると、ロックオンは軽く互いの唇を重ねる。



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