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□過保護な人
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ちょーっと任務に失敗しただけで、これだ。
過保護にも程があるんじゃない?


「と、言う訳で私を仕事に復帰させてほしいんですけど」

「駄目に決まっているだろう、その身体で」


と言うのはお付き合いし始めてようやく半年経ったか経たないかくらいの時間を共にしてきた
上司兼、仕事仲間兼、親友兼、彼氏であるギルバート。

どういうわけか私に対してはとっても心配性になってしまうようで
同じく上司兼仕事仲間のブレイクに言わせれば「異常」の一言らしい。
(私はそんなに変だとは思わないのだけれど)

ちらりと彼を見れば、はたりと目が合えば


「傷が完治するまで仕事は書類整理だからな」


とか言われる始末。
書類の整理は嫌いな仕事の一つ。身体は鈍るし何より退屈。
ベッドの上で丸一日…それも何日も続くとなると憂鬱で仕方がない。


「ギルバートの鬼ー」

「どうとでも言え」


お前は気を抜くと直ぐに逃げ出すからな、外に見張りでもつけとくか。とか言われたら
こっちはどう反応していいのか分からない。
本気なのか、はたまた冗談のつもりなのか…恐らく前者だろうが。

私がいじけようと布団を頭まで被り直すと、温かいものが頭の上に乗ってきた。
この感じでわかる、私より大きなギルの手だ。


「…あまり心配かけさすなよ」


それじゃなくても自分が付いて行ってあげられない時は気が気じゃないんだから。とため息とともに愚痴をこぼす。
私はもう子供じゃないのよと反論したいところだが、生憎とそれは憚られた。

なぜって?
そりゃあ決まってる。





貴方の手が優しいから

(眠ってしまったなんて言えないけれど)



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