アリスと世界
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【悩み多き日々】(連載まとめ1P)
それは午後の優しい一時のこと…
「…ねぇビバルディ、どう思う??」
「どう…とは?」
だから、と私は言って、
「ペーターのこと!」
「あぁ、そうだったな。ホワイトのことだったな」
「なんでそんなに面倒くさそうなのよ;」
はぁ、とため息を吐くビバルディを少し睨んで言う
「いや??そんなことはないぞ、わらわはお前の悩み事の相談に乗っているのだ」
でも、とても面倒くさそうだ。
私は、そんなに嫌な相談をしただろうか
「はぁ…。まぁ、ホワイトだからな。しょうがないだろう」
それじゃあ解決にはなっていない。
他に、誰か…相談する人はいないかしら…
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「それで、ペーターさんに困りはててると」
「え…まぁ、困り果ててる訳じゃないけど…まぁ、そうね」
困り果てた私は、ハートの国の騎士様に相談した。
もちろん、ペーター・ホワイトのこで。
「ははは、ペーターさんてば大変だなぁ。そういえばアリス、この後暇??」
「爽やかに話を流さないでよ;まぁ解決した後なら一応暇だけど」
「ははは、大変だなぁアリスも」
「大変だと思うなら助けてよね;」
エースは(無駄に)爽やかに笑う
「アリス、なんでそんなに気に病むの??」
「なんでって…ヤじゃない。」
メイドさん達の前でベタベタくっついてくるのは。
正直、恥ずかし過ぎて沸騰しそうだ。
だが、ペーターはちっとも気にしない。
私が注意すると、何が大丈夫なのか、「大丈夫ですよ」などとと言うのだ。
「はぁ…どうしたらいいのかしら」
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「今日はなんだか機嫌が悪いな」
「うわぁっ」
後ろから突然声をかけられる。
分かっていても、やっぱり驚いてしまう…
だから私は今日も、
「びっくりさせないでよ…;今考え事してたんだから」
と言ってしまう。
「ペーター・ホワイトのことか。」
「…いちいち心を読まないでくれる…??」
疲れる。
いちいち心を読まれていたら、こっちの気が持たない。
「おいおい。相談があって私を呼んだのではないのか?」
むぅ…まぁそうなのだが...
「だろう??なら、相談を受けよう」
「…心よんでるんならきかないでくれる??」
「まったく…君はいつまでそういう性格でいるつもりなんだい??」
「――…どういう意味?」
「どういう意味だと思う?」
私は、このままではいけない――?
でも…
「狂いたくない?この狂った世界の住人のように??」
――…そう。狂いたくない。ここの住人のように…
私は、狂ったりしない――…
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「…夢か」
ふぅ、と私はため息をひとつつく。
昨夜はナイトメアに相談に乗ってもらおうと思って逢ったのに、逆にこんがらがってしまった。
「相談…しない方が良かったかしら」
ナイトメアはいつも分からないことを投げ掛ける。
なぞなぞのようだから、なんだかボリスみたいだ。
「ペーターに…なんて言おう;」
結局、解決はしていなかった。
女王様に聞いても騎士様に聞いても夢魔に聞いても…
それでも答えは出ない。
もう、答えは出ないのかもしれない。
そもそも、答えなどはじめから無いのかもしれない。
それでも、いいと思った。
今、私はペーターと居れる。
今は、それでいいと思った――…
こんな私は、悩みが尽きない...
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