アリスと世界
□8/1〜the last
1ページ/4ページ
「…さて、説明して欲しいのですが。」
私の前で白兎男が耳を細かくピクピクと動かしている。
「嫌だなぁ、ペーターさんってば。
アリスが困っているじゃあないか。」
私の前で爽やかな顔でニコニコしながら剣に手をかけている。
この光景に慣れてしまった私は、常識人としてどうなのだろう。
「それはこちらの台詞です。
早くその汚らしい手を退けなさい!」
「それは出来ないな。それに、俺の手は汚らしくないよ。」
「何処がですか!
…アリス、そんな男放って置いて……アリス?」
「ほら、ペーターさんが怖いから黙っちゃったじゃないか。」
「そんなこと無いです!無いに決まっています!……」
「私は、常識のある人間だった方、だと思うんだけどなぁ…」
ぽつり、と呟いて私はその場を後にした。
.