末っ子の極意【番外編】

小ネタ




新選高校3年D組、土方歳三。

高校内外、最強の不良と恐れられる彼が。

一人の幼馴染の出現によって、ペースを乱されている。




[case 1]


総司「土方さん!ロー○ンの近くに新しくドーナツ屋さんが出来たんですって!ぜひ僕に奢ってください♪」

土方「こないだケーキ奢ったろ」

生徒A(えっ、あの土方が奢ったの!?)

生徒B(つーか、ケーキ屋行くの!?)

土方「・・・」

総司「(チラシを見ながら)土方さん、僕、このマンゴーグレーズっていうの食べたいです!」



[case 2]


総司「土方さん!放課後なにも予定が無ければ、僕の家でマリ○カートやりましょう!」

土方「今日は負けねえぞ」

生徒C(えっ、あの土方が負けることあんの!?)

生徒D(つーか、マ○オカートやるの!?)

土方「・・・」

総司「じゃあ僕、今日はク○パでいきます!」



[case 3]


総司「土方さん!紙で指切っちゃいました」

土方「大丈夫か。ほらよ」

生徒E(えっ、あの土方が人の心配すんの!?)

生徒F(つーか、絆創膏持ち歩いてるの!?)

土方「・・・」

総司「ありがとうございます!やっぱ持ってると思った〜♪保健室の先生が不在で困ってたんです」





その度に、土方は総司に問う。



「・・・お前、わざとか?」
「え?何がですか?」



総司に悪気はないらしい。

愛らしく笑うものだから、怒りのやり場もない。


ふと藤堂と永倉を見やると、二人はにやにやしながら、こちらを見守っていた。


土方「・・・何にやにやしてんだ」
藤堂「げっ、見つかった」
永倉「あ、ちょっと待って!ストップストップ!」
土方「ちょうど良いところにいたな、お前たち」
藤堂「いたたたた!」
永倉「と、藤堂、ごめん!」
藤堂「待て、逃げるなって、あいたたた」


ヘッドロックをかまされる藤堂を尻目に、永倉は逃走する。

道すがら、総司とすれ違った。

総司は、相変わらずにこにこしながら言った。


「やっぱり、仲良しさんですねえ」


永倉は思った。

土方歳三が、この高校で最強だということに変わりはない。

しかし。

沖田総司という人物も、別の意味で最強だ。

多分、この、土方歳三という人間に対しては。




END



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