text
□doki×doki
1ページ/1ページ
豪を見ると心臓がドキリと跳ねる。
それは、俺が豪を好きだから。
俺は口が上手くないから、伝わらないことの方が多いと思う。
でも、気付いてほしい。
豪を思うだけでこんなに鼓動が速くなるのだということを。
豪に抱き締められる。
何かあったわけじゃない。でも、突然豪が俺の背に腕をまわしてきた。
心臓が跳ねる。
豪の姿を見ただけでドキドキするのに、抱き締められたりなんてしたらドキドキどころかドキドキドキドキだ。
それでも、嬉しさから俺も豪の背に腕をまわす。
豪の鼓動を感じたくて少し強めに力を入れた。
ドキドキ
豪の心臓の音が聞こえる。
『…豪もドキドキしてるんだ』
そう思うと嬉しくなり、さらに豪の胸に顔をうずめた。
「巧の心臓の音、すげぇんじゃな…」
耳元で囁いた熱っぽい声に、いっそう心臓が跳ねる。
気付いてほしいと思っていたのに、気付かれたら恥かしいとも思うのだ。
でも、それ以上に豪が自分と同じことを考えていたのが嬉しかった。
言葉で伝わらなくても、全身から豪を好きだと思う気持ちが伝わって欲しい。
END