03/01の日記

20:47
雛人形とぱぱの憂鬱
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イルミ



「イルミー、」


「わかってるよ。今からしようとしたの」


「じゃあさっさと片づけてよ」


「今からしようとしてるでしょ。ちょっと待ってよ、うるさいな」


「…イルミ、そんなに片付けいやなら私が、」


「だめ。」


雛人形に手を伸ばす私を、鋭い目で制止する。


「…ぱぱ、雛人形は3月3日までに片付けないと、女の子は婚期を逃しちゃうのよ」


「……知ってる」


イルミは眉根を寄せてかわいらしい桃色の雛人形を見た。


───私のお腹には一つの小さな命が宿っているのだ。

いくら性別がわかったとはいえ、生まれてもないのに雛人形わ飾るのは気が早いとは思ったけど。

キキョウさんからのプレゼントだし、2週間前から飾っている。


「ぱぱ、」


再度イルミに声をかけると、間髪入れずに言葉が返ってきた。


「うん。婚期なんか遅れたって構わないよね。ゾルディック家にずっといればいいんだ」


──なんという自己中パパ!
呆れた私はため息を漏らしながらお腹をなぜた。


イルミは恨めしげに雛人形を眺めていた。

3月はじめのうららかな日常。



雛人形とぱぱの憂鬱
(早く生まれてきてね。あなたのパパは最高に素敵よ)

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