呪泉郷★斬魄刀★陽海

□月夜に舞う蝶
1ページ/3ページ

今宵は中秋の名月。


明るい満月の下で、女が扇子片手に日本舞踊を舞い踊っている。


十番隊隊舎の個室で、ただ一人きりで。


十番隊副隊長…松本 乱菊、色香漂う妖艶美女。


誰に披露するでもなく…


舞い踊った後、動きが止むと何処からか拍手が。


「誰!?…ギン!」


襖の向こう側から顔を覗かす三番隊隊長…市丸 ギン。


「さすがに特技だけあって、よー出来とりました!」


「何?からかいに来たの?」


乱菊はギンの姿を確認した後、再び背を向けて座り込んだ。


「それもあるんやけど、乱菊が月見の宴おらんかて、霊圧探ってここに来たんや」


「?どうして…私を探したの」


「ほれ!」


ギンはお供えのお団子とススキを差し出す。

「お月見…?」


「せや、乱菊としようと思うて。」


お団子とススキを供え、ギンは乱菊の隣に座る。


「何で私と…?」


喋りかけた乱菊の口をギンは干し柿で塞ぐ。

乱菊は一口かじり、


「美味しい」


と、呟いた。


「乱菊。質問ばかりやな。他にも聞きたいことあるん?」


乱菊は照れた様子で頷いた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ