禁書CP3

□桜咲くその下で
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独り・・・。
桜舞うここで、彼は独りで煙草を吸っていた・・・。
眠る2人を見守りながら。


(はぁ。)


ステイルは小さく小さく、2人には聞こえないようにため息をついた。


(見せつけてくれるね。)


ステイルは吸っていた煙草を指で弾き、宙へと放る。
すると、煙草は瞬時に燃え尽き、灰となり空へと消えて行った。
ステイルはチラリと2人を見た。
当麻とインデックスがそこで寝ていた。
当麻は桜の木に寄りかかって、インデックスは当麻の膝の上に乗っかって眠っていた。
呆れるぐらいに仲良さそうに眠っている。


(こんなに無防備に寝て・・・誰かに襲撃されたらどうするんだい?)


そう思ったからこそ、自分がこうして見守っているのだが。


(言い訳、だね。)


ステイルは小さく苦笑いする。
誰かに襲われないか見張っているなんて、自分に向けての言い訳だ。
本当は、一緒にいたいから。
たとえ、除け者にされていようとも、一緒にいたいからだ。


(なんて僕は馬鹿なんだろうね・・・。)


ステイルは再びため息をつくと、気持ち良さそうに眠っている2人を少し恨めしそうに見た。


「・・・ん?」


そこへ桜の花びらがふわりと落ちてきた。
そして、当麻の頭の上へ。


(桜が・・・。)


ステイルは桜の花びらを取ろうと、当麻の頭へと手を伸ばした。
起こさないように慎重に。
しかし・・・。


「ん・・・。」


突然、当麻が身じろぎし、ステイルはビクッと硬直した。


(起きるのかい?起きるのかい?起きるな!!)


手を伸ばしたまま、ステイルは身動きもできずに、ただただ心の中で祈る。


「んーーー。」


当麻は唸り、今にも起きそうだ。
ステイルは頭が真っ白になり、何も考えられなくなる。
しかし、先程のステイルの祈りが通じたのだろう。


「・・・スー。」


当麻は再び眠りへと落ちて行った。
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