禁書CP3
□最高の笑顔を
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「ふぅ、ようやくステイルと2人っきりになれた。」
当麻がテラスの手すりに寄りかかりながら言った。
「ステイルのとこに行こうとすると、邪魔ばかり入ってさ。」
当麻が自分の事を考えていてくれた事にステイルはほんのりと顔を赤らめてしまった。
それを見せたくなくて、ステイルは当麻から顔を逸らす。
「別に僕の事なんか放っておいて、皆で楽しめば良かったじゃないか。」
そして、つい心にない事を言ってしまった。
「んー、でも俺はステイルと楽しみたいしなー。」
未だにステイルの手首を掴んでいる手を当麻はステイルの手へ握り直した。
指の間に指を絡ませる握り方で。
「ステイルが他の奴と笑ってるなんて嫌だからさ、2人っきりで。」
「それだったら、君だって!」
「うん、ごめんな。」
当麻がステイルの手を口元に寄せた。
「だから、あいつらに向ける以上の笑みで、たくさんステイルと笑うからな。」
「・・・///」
言葉と指に感じた感触にステイルは赤面してしまう。
独占させてはくれないが、それ以上に自分を特別な存在として見てくれているのだ。
当麻はステイルを真っ直ぐ見つめている。
「大好きだぜ、ステイル。」
「・・・僕も、だ。」
さぁ、一緒に笑おう?