禁書CP3

□Magic of holy night
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「くそっ!見失った!」


当麻は立ち止り、辺りを見回す。しかし、あの女性の派手な姿はもう何処にも見当たらなかった。


「・・・チッ。」


一緒に走っていたステイルも苛立たしげに舌打ちをし、煙草に手を伸ばしている。


「どうしますか?あいつが何かを企んでいるのは、確かですよ。」


神裂は険しい顔つきで、なおも女性がいないか辺りを見回している。


「まずは術式を壊した方がいいかもー!」


ステイルに抱えられていたインデックスが声を上げた。
皆の目が一斉にインデックスへと向けられる。


「これは行為義認を利用したものかも。」

「・・・こーいぎにん?」


インデックスの言った、聞き慣れぬ言葉に当麻は首を傾げた。


「敬虔主義の1つの教えですね。」


当然のように神裂は知っているのか、さらりとそう言ってのける。


「敬虔主義とは、ルター主義に対抗するために作られ、1690年頃〜1730年頃にかけてドイツのプロテスタント教会を支配した傾向です。」


なお首を傾げる当麻に、神裂は説明を始めた。


「行為義認とは、その中の教えの一つで、敬虔な心を行為において実証する事、つまり知的ではなく実践的信仰を重んずること。」

「・・・それって、けっこう良いことじゃないのか?それがどうやって学園都市に危害を加えるんだ?」


敬虔な心を行為において実証する事。それは魔術師の女性が言ったとおり、善い事をするという意味なのだろう。
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