禁書CP3

□君は何を観たい?
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「じゃあ、俺と観に行くかにゃー?」


後ろで文句を言っている打ち止めを無視して、土御門が話しかけてきた。


「却下。」


ろくな予感がしないので、一方通行は即答する。


「なんでにゃ!ロリコンメイド刑事は名作中のめいさ・・・!」


戯言をいう土御門の顎にスイッチオン状態のアッパーを問答無用でやった。
土御門は面白いように吹き飛んだ。
グシャ、と土御門が地面に落ちるのを見送るのもそこそこに、一方通行は再び歩き出す。


「でしたら、僕と行きませんか。」


ひょこりと現れた海原に一方通行は嫌な顔をした。


「古代アステカについての・・・。」

「故郷にさっさと帰りやがれ。」

「だったら、私とはどう?」


次は結標だ。


「春風に吹かれてっていう、恋愛物・・・。」

「彼氏作りやがれ。」

「あら?それは女の子に対して、酷いんじゃない?」


なんでここにドレス姿の女がいるんだろうか。


「それに恋愛物を馬鹿にしたら・・・。」

「だったら、結標と行けばいいだろうがァ。」


はぁ、と次々と来る奴らに一方通行はため息をついた。
少し先では、アイテムのメンバーが口喧嘩をしているし。


「ここは最高のB級映画の・・!」

「私としては春風に吹かれてが・・・・!」

「いえいえ、ここは今超キテるあのアニメで・・・!」

「子猫物語・・・。」


あいつらは何がしたいんだろうか、と冷めた目で一方通行は見た。


「あ、一方通行!」


不意に今までとは違う感じで、名前が呼ばれた。
振り返ってみれば、無能力がそこにいた。


「お、俺もさ、お前と映画、見てーんだけど・・・。」

「・・・誰がてめェーなンかと見るか。」

「ひでっ!上条さんヘタレなのに、頑張って声をかけたのに!」

「知るか。」


泣きながら落ち込み、土御門に慰められる無能力は放っておいて、一方通行は歩く。
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