禁書CP3
□他人から恋人に
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4、知るたびに増えていく“好き”
彼の仕草が好き。
彼の表情が好き。
彼の言葉が好き。
「・・・重症だ・・・。」
当麻はキッチンで料理をしながら、ため息をつく。
ステイルの事が知りたいと思い、彼を観察してみた。
そして、気付く仕草、表情、癖。
知るたびに、鼓動がドクンッと鳴った。
「とうまー、お腹すいたー。」
「あー、はいはい!もう煮込むだけだから我慢しなさい!」
インデックスを怒鳴りつけながら、チラリと背後を振り返ると、4つの目がじっと、こちらを見ていた。
「・・・そんなにジッと見たって、すぐにはできないぞ・・・。」
呆れ半分に、当麻は言う。
「なっ!そんなことぐらい分かってるもん!」
「僕は君が料理を失敗しないか見張ってるだけだよ。」
「はいはい、そーですかー。」
インデックスの図星を疲れたような起こった表情と、ステイルの生意気な顔を見て、当麻は料理に戻る。
そんな彼の表情も好きだな、と思った。
「・・・の・・・り・・・が・・・き・・・。」
「ん、・・・だ・・・・わ・・・い・・・・な。」
不意に小声で話す2人。
クスクスと笑っていた。
その笑い声も好きだな、と思う一方で、仲がいい2人が少し羨ましかった。
(・・・本当に重症だ。)
知るたびに増えていく“好き”、インデックスに嫉妬する程に
(とうまの料理をする背中が好きかも。)
(ん、そうだね。悪くはないかな。)