禁書CP3

□空にかかる・・
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『今日の天気は午前中は雨ですが、ごごには晴れ、暑い日となるでしょう。
くれぐれも、紫外線には注意してください。』


テレビから天気予報を伝える声が聞こえていた。
ある日曜日、朝から天気予報通りに雨が降っており、やる気が出ずに2人はゴロゴロとしていた。


「あー、だりぃー。」


上条当麻は広げた教科書の上に突っ伏し、唸っている。


「・・・あめー。」


インデックスもブツブツと呟きながら、床に転がっている。
猫のスフィンクスもお腹をさらけ出して、ぐったりだ。


「・・・あめー。」


インデックスがまた呟く。


「んー、雨がどうしたー?」


あまりにも何度も同じ事を呟くインデックスに、当麻は首を傾げ尋ねる。
のろのろと顔を上げて、インデックスの方を見れば、彼女は何やら考え事をしているようだった。
考え事、というより記憶を探っているみたいだ。


(ん?記憶を探る?)


インデックスは完全記憶能力の持ち主なのに?


「とうま!!」


当麻も考え事をしていると、突然インデックスが大声を上げると共に起きあがった。


「雨!!雨!!」


そして、騒ぎ出す。


「あ、雨がどうしたんだよ?」


思わず引きながら、当麻は先程と同じ問いを繰り返す。


「行こう!」

「はぁ?」


唐突な言葉。
どこに?
なぜ?
いつ?
さまざまな疑問が浮かび上がり、当麻は間抜けな声を出し、インデックスを見返した。
彼女の目は真剣そのものだった。
当麻は思わず言葉を失ってしまった。


「行こっ!早く!!」


インデックスは当麻の手を取り、当麻を引きずるように玄関へと向かう。


「お、おい!ちょっと、待て!せめて立ち上がってからにさせろ!!!」
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